伊藤忠商事・繊維カンパニーの2016年3月期連結決算(国際会計基準)は、純利益が前期比45.3%の144億円だった。当初計画の330億円を大きく下回った。傘下のエドウインなどの好調によって増収を確保したものの、レスポートサックやジャヴァ ホールディングスなどのアパレル関連事業で大規模な減損損失や在庫評価損を計上した。繊維カンパニーのプレジデントの小関秀一・専務執行役員は「市況の悪化を一過性だとは考えていない。今年も厳しくなることを前提に、先行してマイナス要素を一掃した。強固で筋肉質な収益基盤を作る」と説明する。今期(17年3月期)は再び純利益330億円の達成を掲げる。
減損損失や在庫評価損は、東南アジアや南アジアに縫製拠点を持つ英製造卸のブラムホープで約60億円、バッグのレスポートサックで約35億円、婦人服のジャヴァ ホールディングスで約50億円、その他のアパレル事業で約15億円をそれぞれ計上した。ブラムホープでは工場の撤退も織り込む。レスポートサックやジャヴァ、その他のアパレル事業は在庫の適正化を急ぐ。一方でエドウインのほか、コンバースフットウェア、ジョイックスコーポレーション、ワタキューセイモアは好調だった。