PROFILE: 右:田中小百合/伊勢丹外商部シニアプライベートスタイリスト 左:前田夏希/伊勢丹外商部シニアプライベートスタイリスト
チームだから“ワタシ”が生きる!
「恐れ知らず」と「インプット魔」
富裕層消費が拡大する中、三越伊勢丹の2024年3月期の外商部売上高は、前期比15%増と大きく伸ばした。けん引するのは、旗艦店である伊勢丹新宿本店の外商部だ。伊勢丹外商部は、親会社三越伊勢丹ホールディングスの細谷敏幸社長が掲げる、「マスから個へ」戦略の本丸だ。同店では近年、個人外商部にチーム制を導入。増加傾向にある若い外商顧客からの新しいニーズも連携プレーでカバーし、顧客満足度を高めている。伊勢丹外商部の田中小百合、前田夏希の両シニアプライベートスタイリストは、世代も経験してきた畑も違うが、それぞれの個性をチームの中で生かし、めきめきと成果を上げている。(この記事は「WWDJAPAN」2024年7月22日号からの抜粋で、無料会員登録で最後まで読めます。会員でない方は下の「0円」のボタンを押してください)
個人外商チームが発足したことで、それまでは外商員に属人的だった顧客データをチーム内で共有し、メンバーの得意分野でカバーし合う体制が整った。チームはラインワークス(LINE WORKS)で常に連携を取り合い、週次会議では、外商顧客をアテンドしたり連絡を取り合ったりする中で得た情報を共有する。
さらにMD担当やバイヤー、店内の「カテゴリースペシャリスト」ともつながり、店内の品ぞろえやイベントについて事前にインプットする。「全館の60、70ブランドの方とラインでつながっている。お客さまをアテンドする前には『この商品を店頭に準備しておいてください』と取引先にリクエストして、スムーズにご案内できるようにしている」。
個人プレーのイメージが強い外商だが、外商員の意識も着実に変わっている。「もちろん、お客さまの最高のコンシェルジュであろうという心持ちは変わらないが、『自分だけのお客さま』という感覚はない」。婦人服や時計、ラグジュアリーブランド、食品など、客の要望や好みに応じて得意な外商員をスイッチし、その時々で最適なアテンドをする。
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