ゴールドウインはこのほど、二酸化炭素を原料に活用した100%非化石由来のポリエステルを、6社と共同で実用化した。「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」のスポーツユニフォームなどに来年7月頃から採用する計画だ。
フィンランドの再生可能燃料メーカーのネステ(NESTE)、三菱商事、韓国の化学メーカーのSKジオセントリック(SK GEOCENTRIC)、タイの石油化学メーカーのインドラマ・ベンチャーズ(INDORAMA VENTURES)、インドの化学メーカーのインド・グリコール(INDIA GLYCOLS)、総合エンジニアリング企業の千代田化工建設が提携した。
原料には化石燃料の代わりに、ネステが開発したバイオベースのナフサ「ネステ・アールイー(Neste RE)」を活用する。持続可能な航空燃料を製造するネステが提供する「ネステ・アールイー」は廃棄物や食物油などを原料とし、既存のインフラ設備を活用しながら製造できる。ネステによると、従来の化石由来の燃料と「同等の品質」を担保できる。また化石原料と比較して温室効果ガス(GHG)排出量は85%以上抑えられるという。ポリエステル繊維に加工する化合物パラキシレンの製造には、回収した二酸化炭素を原料に用いた。
ゴールドウインは「ザ・ノース・フェイス」を皮切りに、ほかのグループブランドでの活用も検討する。また「ザ・ノース・フェイス」は今年3月、米国エネルギー省と提携し、従来の石油由来のポリエステルの代替品として、無毒で生分解性のあるポリヒドロキシアルカノエート(PHA)の研究も行っている。