一時閉館から2年7カ月ぶりにグランドオープンする京都・河原町通りの商業施設「京都BAL(バル)」の施設概要と出店テナントが発表された。隣接する500坪(約1650平方メートル)の土地を買い取り、大規模な建て替え工事を終えた新生・京都BALは、敷地面積約850坪(約2805平方メートル)で建て替え前の2倍以上に拡大。総売り場面積3650坪超(約1万2045平方メートル、地下2階・地上6階)に33店舗のテナントが出店する。 グランドオープンは8月21日。
そのうち450坪(約1485平方メートル)以上の大型店舗は「ロンハーマン/アールエイチ カフェ」「無印良品/ファウンドムジ」「丸善/丸善カフェ」の3店舗。100?450坪が「ザ・コンランショップ」(230坪・約759平方メートル)、「エストネーション」(213坪・約703平方メートル)、「トゥモローランド」(300坪・約990平方メートル)、「アメリカンラグシー」(109坪・約360平方メートル)の4店舗。大型店を多数導入した理由について運営する中澤の中澤勇・社長は「通常であれば100店舗以上のテナントを入れられる規模だが、あえて一つ一つの店舗を広く取り、各ブランドのコンセプトや世界観を存分に表現してもらいたいと考えた」と語る。
なかでも「ロンハーマン/アールエイチ カフェ」は最上階のワンフロアに出店し、世界最大規模を誇る。店内は、屋外の中庭を通ってから売り場を回遊するような造り。施設内でありながらトップライトを取り入れた、明るく開放的な店舗空間が印象的だ。
各カテゴリーをけん引するトップブランドを重点的に集めた。「45年間商業ビルを運営してきた経験から、厳しい競争に勝つにはトップブランドを導入することが決め手になる」(中澤社長)という。さらに、各テナントと話し合い、既存店舗にない演出や商品ラインアップで京都BALならではの店作りを行っている。例えば「トゥモローランド」はインポート商品が7割を占める品ぞろえで展開、京都BALがフランチャイズとして運営する「無印良品」もグローバル旗艦店並みのインテリアをそろえる。
京都BALは1970年11月に開業。飲食街だった河原町通りに最先端のデザイナーズブランドを集積した高感度のファッションビルとして出店し、DCブランドブームをけん引した。2013年1月に一時閉館。ピーク時の売上高は100億円を超えたが、建て替え前は30億円台まで減少していた。リニューアル後の売上高は約70億?80億円を計画。京都のトレンド・文化発信地の復活に、地元商店街からも大きな期待が寄せられている。