バッグメーカーのイケテイはこのほど、自社ブランド「フジタカ(FUJITAKA)」の初のコンセプトショップを東京・浅草橋にオープンした。耐久性と機能性に定評のあるビジネスバッグやトラベルバッグから革小物まで全ラインアップを、左官職人が仕上げた洗練された空間で見せ、ブランドのイメージアップにつなげる。
イケテイは1941年の創業時から「フジタカ」を育ててきた。大阪本社に併設する自社工場で企画から生産、アフターケアまでを一貫して行い、徹底した品質コントロールが強み。自社ECはじめ、髙島屋大阪店や阪急うめだ本店、ジェイアール名古屋タカシマヤ店などで取り扱う。飽きのこないシンプルなデザインと、職人技を感じさせる端正なたたずまいから男女のビジネスパーソンから支持を集めている。メンズ最大の見本市「ピッティ・イマージネ・ウオモ(PITTI IMMAGINE UOMO)」などにも出展し、海外でも知名度がある。
サステナビリティにもいち早く取り組んできた。革の接着剤は5年ほど前から有機溶剤から水溶性接着剤への切り替えを推進してきた。またオリジナル素材"エキストラソフト”は、「乳幼児が触れても安心安全なレザー」としてタンナーと共同開発。「安心を持ち運ぶ」というブランドコンセプトを体現する素材として、さまざまな商品に採用している。加えて、海外からはレザーワーキンググループ(LWG)認証を得た革を仕入れる。
職人と会話しながらオーダー可能
初のコンセプトショップとなる同店は、2フロアで構成。1階には、LWG ゴールドランク認定のイタリア高級スムースレザーを使用した“ロカス”シリーズや、家具やプライベートジェットの内装に使用される物性の高い本革を使用した“アルタ”シリーズなど、「フジタカ」の顔となる商品を並べる。
2階はカフェを併設したオーダーサロン。フロア内に設置したスクリーンを通して、大阪の工場とオンラインでつなぎ、リアルタイムで職人と会話しながら発注できる。同フロアでは刻印サービスやメンテナンスサービスなども受け付ける。同店限定で、“アルタ”シリーズの2型をベースに素材やカラーを選べるオーダー品も用意した。
同社の担当者は、「『安心を持ち運ぶ』というブランドコンセプトを伝えるとともに、家族やカップルで来店し多くの人に垣根なく当社の商品を楽しんでもらいたい」と話す。