J.フロント リテイリングの2014年3〜8月期連結決算は、営業利益が前年同期比102.7%の184億円となり、最高益を更新した。消費税増税による影響もあって売上高は同99.8%の5576億円と伸び悩んだが、販管費の圧縮によって増益を確保した。経常利益も同106.0%の179億円で最高益。純利益は、前年同期でピーコックストアの売却益を計上していたため、同38.1%の78億円に落ち込んだが、この影響を除く実質ベースでは増益だった。
中核子会社である大丸松坂屋百貨店は売上高が同98.5%の3256億円、営業利益が同100.6%の75億円だった。同社は昨年6月末に松坂屋銀座店を閉店しているが、これを除いた既存店ベースでは同101.4%の増収。旗艦店である松坂屋名古屋店、一昨年に増床した大丸東京店などがけん引した。7日に会見したJ.フロント リテイリングの山本良一・社長は、「外商などは7月以降から前年実績を上回っているが、婦人服などボリュームゾーンの回復が遅れている。18〜34歳の若い層が低迷しており、各店でMDの見直しを進めている」と下期以降の課題を語った。
通期(2015年2月期)の予想は売上高1兆1610億円(前期比101.3%)、営業利益430億円(同102.8%)、純利益190億円(同60.2%)。百貨店事業は既存店ベースで101.1%の増収を見込む。