ファッション業界は移り変わりが激しく、ブームを迎えたブランドが反動に苦しむケースも少なくない。しかし今は、低迷や停滞期を経て人気が再燃したり、ブームが落ち着いた後の再加速に成功したりのケースが散見される。さまざまな人気再燃ブランドを取材した。(この記事は「WWDJAPAN」2024年8月5&12日合併号からの抜粋です)
現代の若者を的確に捉え、
自由でクールなイメージに刷新
1960〜70年代に人気を博した「クレージュ(COURREGES)」は、ニコラス・デ・フェリーチェ(Nicolas Di Felice)=アーティスティック・ディレクターが描く新たな世界観によって、創業者を知らないような若い世代を中心に再び支持を集めている。同ブランドは2010年代前半から若返りによる再生の道を模索してきたが、18年にフランソワ・アンリ・ピノー(François-Henri Pinault)=ケリング会長兼最高経営責任者(CEO)一族のプライベート投資会社であるアルテミスが買収。20年3月にアドリアン・ダ・マイア(Adrien Da Maia)CEOが、同年9月にニコラスが就任し、立て直しに成功した。21年から2年連続で売上高は3ケタ成長し、「23年も収益は倍増。アジアは『クレージュ』にとって最も成長著しい地域になった」とダ・マイアCEOは話す。世界の卸売りアカウント数は約250で、この2年はリテールも強化。6月には百貨店内店舗を含めるとパリで6つ目となる直営店をマレ地区の好立地にオープンし、7月には米カリフォルニアのラグジュアリーモール内に新店を開いた。今後は8月末にソウルに続く韓国2店目をプサンに、10月には日本初のショップ・イン・ショップを出店予定だ。
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