JR西日本SC開発は、JR大阪駅の2棟の駅ビルに入るルクア(東館)とJR大阪三越伊勢丹(西館)の一体化改装の一部の内容を発表した。現在改装工事前のセールを行なっているJR大阪三越伊勢丹は、地下2階の食品売り場と10階のレストラン街を除き、7月28日から改装工事に着手。来春のグランドオープンに向け、ルクアで培ったノウハウを生かし、専門店と百貨店の強みを融合した店作りを進める。
その一環として、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が運営する代官山T-SITEの中核施設「代官山 蔦屋書店」を源流としたライフスタイル提案型店舗を9階(現在は紳士服フロア)に導入する。売り場面積は約4000平方メートル。西日本初出店で都心型商業施設への出店も全国初。地域や立地に合わせてカスタマイズした店舗になる。JR西日本SC開発の山口正人・社長は「梅田には本を読んだり、音楽を聴いたりしながらゆっくり過ごせる施設がない。蔦屋書店は本や音楽、映画といったカルチャーをベースにしたカフェで機能が充実している。
50?60代のプレミアムエイジはもちろん、ルクア世代にとっても新鮮に映るはず」と集客力に期待を寄せる。西館の百貨店売り場は、現在の4割程度に縮小し、ルクアの卒業生世代とその娘を中心ターゲットにしたMDで編成する。「従来の百貨店の枠組みのままでは難しいため、いま支持を得ている売り場を強みとして編集すれば、活性化できると思う。集客力と話題性のある専門店とうまく融合させていきたい」と山口社長。東館と西館は中層階でも通路でつながっているが、これまでは客層が異なるため、ほとんど機能していなかった。来春の改装ではフロアごとのMDを連動させ、「通路を渡って買い物してもらうことを目指す」(同)。
一方、現在ルクアが入る東館は、2011年5月の開業以来初の大規模リニューアルを行ない、8月28日にオープンする。3年の定期借地契約の満了に伴うもので、全199店の約3割にあたる58店舗を改装する。うち新店は44店で、全国初が7店舗、西日本初が17店舗、関西初が3店舗と話題の店を導入。コアターゲットの20代後半?30代の女性に加え、新たに20代前半の女性の取り込みも狙う。主な注目店舗は、セレクトショップ「221リステア」が約274平方メートルの大型店として全国初出店。バッグとファッション雑貨の「ロデスコ アーバンリサーチ」も全国初登場となる。西日本初では、スニーカーのセレクトショップ「アトモス」が手掛けた新業態「スポーツ ラボ バイ アトモス」、生活雑貨店「レインボー スペクトラム」、バルセロナ発の人気アートキャンディショップ「パパブブレ」、マッシュライフラボの「ミラ オーウェン」などが出店。「ここでしか買えないテナントを揃え、旬の館を作っていく」という。
両館一体化後の店舗面積は約5万3000平方メートル、売上高目標は約800億円を計画。ルクアのメンバーズカードと百貨店のJR MICARDを相互利用できる取り組みも進めている。
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