セレクトショップの「ロンハーマン(RON HERMAN)」を展開するリトルリーグ インクは、ジュエリーに特化したセレクト業態である「ロンハーマン ジュエリー(RON HERMAN JEWELRY)」(以下、RHジュエリー)をスタートする。ロンハーマンは、「ホーセンブース (HOORSENBUHS)」「スピネリ キルコリン(SPINELLI KILCOLLIN)」などのジュエリーブランドを輸入販売しており、一部ブランドの国内輸入代理店として卸販売も行っている。8月28日は「RHジュエリー」の初の店舗が伊勢丹新宿本店本館(以下、伊勢丹)1階にオープンする。同業態をスタートする理由や背景について「ロンハーマン」の篠崎茜バイヤーに話を聞いた。
ジュエリーで差別化を図り、新しい層にアピール
WWD:「RHジュエリー」を立ち上げたきっかけは?このタイミングでスタートする理由は?
篠崎茜「ロンハーマン」バイヤー(以下、篠崎):日本に上陸した2009年からジュエリーを販売していたが、11年に千駄ヶ谷店を拡大オープンした際にジュエリーコーナーができた。「ロンハーマン」では、一貫して、トータルコーディネートの一つとしてジュエリーを提案している。だから、現在13店舗あるが、ウエアとジュエリーコーナーを気軽に行き来してもらうということがコンセプトにある。今年、日本上陸15周年を迎えて、「ロンハーマン」が大切にしてきた価値観やワクワク感を新しい客層に届けたいという思いがあった。「ロンハーマン」の世界観をいろいろな人に楽しんでもらいたい。そのきっかけ作りのために、ジュエリーにフォーカスした施策を考え、外へ出て行こうと考えた。15周年は、次の5年後、10年後を作るスタートの年。そういう思いで新しい事業として「RHジュエリー」をスタートした。
WWD:ジュエリーに特化したショップにした理由と目的は?
篠崎:他のセレクトとの差別化するためにジュエリーにフォーカスし、伊勢丹にアプローチした。あまり事例がないため、伊勢丹も興味を持ってくれた。
WWD:ターゲットは?
篠崎:「ロンハーマン」の顧客は30~50代が中心。それより若い層や、さらに上の層、インバウンドなど。伊勢丹でどのような人との出会いがあるのか楽しみだ。
百貨店で「ロンハーマン」らしさを出すのが課題
WWD:「RHジュエリー」のコンセプトは?
篠崎:今まで巡り合った世界中のデザイナーを、ジュエリーを通して紹介する大切な場所。商品自体というよりは、空気感やスタッフとの会話など経験を楽しんでもらいたい。限られたスペースの中で、定番もありつつ、1点モノなどそこでしか出合えないものや、遊び心のあるもの、伊勢丹エクスクルーシブなどを織り交ぜながら、ブランドミックスやいろいろなスタイリングを提案できるようにしている。
WWD:販売するブランドのラインアップや価格帯は?
篠崎:「ロンハーマン」で販売しているジュエリーのブランド数は約20。伊勢丹では、「ホーセンブース」「スピネリ キルコリン」「ミズキ(MIZUKI)」「サン メイヤ(SAN MARE)」とオリジナルやネイティブアメリカンのジュエリーを扱う「R Hジュエリー」5ブランドでスタートする。価格帯は、9000円〜300万円と幅広いが、中心価格帯は20万円前後。
WWD:4階のジュエリーフロアではなく1階で「RHジュエリー」を展開する理由は?
篠崎:1階の方が、気軽により多くの人に見てもらえるし、買い周りしてもらえる環境にある。百貨店の売り場内で規制がたくさんある中で、どのように「ロンハーマン」らしさを出せるかが課題だ。
ビジネスとクリエイティブ両軸でディストリビューションも
WWD:日本国内でディストリビューションも行うブランドもあるが、その理由は?
篠崎:実は、代理店をしているブランドは多く、ジュエリーでは「ホーセンブース」「スピネリ キルコリン」「ミズキ」のディストリビューションを手掛けている。全て「ロンハーマン」を通して出合ったブランドで、各ブランドの良さやオリジナリティーを十分理解しているので、共に成長していくことができる。デザイナーと近い関係にありながら、ディストリビューションを通して、小売りの状況などビジネスの視点をMDに反映することができる。デザイナーと共にクリエイション、ビジネス両方を形にしていけ、それを表現するのが店舗。クリエイション、ビジネス両方でメリットがある。
WWD:ディストリビューター兼小売店としての今後の戦略や課題は?
篠崎:心が揺さぶられたブランドと共に、信頼関係を築きながら、クリエイティブを大切に自然派生的なビジネスを継続していくこと。未来に向かって、ワクワクする新しいことや楽しいものやことを提案し顧客満足につなげたい。