コーセーは8月30日、商業施設「東急プラザ原宿『ハラカド』」地下1階に「メゾン コーセー ハラカド」をオープンする。若年層をメインターゲットに体験型のコンテンツを充実させ、快適な顧客体験を提供するためにデジタルを活用したOMO(オンラインとオフラインの融合)型店舗だ。扱うブランドは、「コスメデコルテ(DECORTE)」「アディクション(ADDICTION)」「ジルスチュアート ビューティ(JILL STUART BEAUTY)」「フローラ ノーティス ジルスチュアート(FLORA NOTIS JILL STUART)」「プレディア(PREDIA)」「雪肌精(SEKKISEI)」「スティーブンノル(STEPHEN KNOLL)」。
若年層を中心にコト消費を楽しむ消費者動向を踏まえ、体験コンテンツを豊富にそろえる。工房をイメージしたギフト特化型のコーナーでは、ラッピングのスペシャリストによる手捌きのライブ感を楽しめるようにした。ギフト体験の価値を高めるべく、贈り相手の名前から連想するイラストをAIが描くメッセージカード作成のサービスなどを用意する。さらに、気になる化粧品を試せるドレッサーとテスターの時間貸しサービス、プロのスタイリストによるヘアスタイリングサービス、厳選したクリエイターの作品を陳列するコーナーなどを展開し、満足感の高い店舗体験を目指す。
「Z世代を中心にリキッド消費(モノを所有しない新しい消費の形)が進む今、ただ商品を陳列するだけでは店舗に足を運んでもらえない。その傾向を踏まえてさまざまなコンテンツをそろえたが、利用する若い世代がこちらが想定もしていなかった発想で新しい楽しみ方をしてくれたら嬉しい」とコーセープロビジョンの命尾泰造代表取締役は話す。
快適な顧客体験を追求し、デジタルツールの活用にも注力した。商品の予約や注文、決済のほか、カウンセリングの事前予約や当日のウェイティング予約もモバイル上で可能にした。店舗の営業時間外も利用できる「コスメ ロッカー」では、ラッピングを依頼したギフトやモバイルオーダーで注文、決済した商品を、時間を気にせず受け取ることができる。
「EXを起点としたCX向上を目指す」
「従業員にとって働きやすい環境が、最終的に顧客体験の満足度向上に直結する」という考えのもと、「メゾン コーセー ハラカド」では美容部員の働きやすさ向上を目指して店舗を設計した。効率的に動けるように最適化した接客動線を確保し、身体的負荷を低減するカウンターやドレッサー、スツールを採用。レジ対応やラッピング、各コンテンツの管理業務などに専属のスタッフを用意し、美容部員が接客に注力できる環境を整えている。
「販売職の採用が難しくなっているが、コーセーのようにハイプレステージのブランドを持つ会社にとって今後も人は欠かせない存在。身体的負荷の軽減といった仕組みで解決できる部分は解決し、美容部員が働きやすい環境をつくる。そういった積み重ねが販売職の魅力向上につながると考えている」とコーセープロビジョンの命尾代表取締役は話す。