伊藤忠商事の中国子会社である伊藤忠繊維貿易(中国)有限公司は、米プリマロフト社が製造する超微細マイクロファイバー素材「プリマロフト」を使用したアパレルや雑貨の中国における独占販売権を取得した。
同社は、日本における「プリマロフト」の寝装分野での独占販売権及び商標使用権を2000年に取得して以来、プリマロフト社とのパートナーシップを構築。今後は、既存の中国アパレルブランドへの素材や販売ルートだけでなく、新規販路も開拓しながら中国市場に積極拡大する予定だ。3年後には小売りベースで約1億元(約17億円)の売り上げを目指す。
「プリマロフト」は1980年代初頭、スペースシャトルの断熱材製造などを手掛けていた米アルバニー社によって開発された素材。既存の寝袋やジャケットに使用された天然ダウンと比べ、高い保温性と柔軟性、雪や雨に耐える撥水性を兼ね備えた中綿素材として、当時のアメリカ軍に採用されていた。その後、2012年に同社から独立したプリマロフト社が事業を担い、現在は野営用の寝袋や寝具だけでなく、アパレルブランドからスポーツブランドのジャケットなどさまざまな分野で使用されている。
現在、中国市場は天然ダウンが冬の防寒着として大きくシェアを占めているが、近年の食文化の変化や鳥インフルエンザの流行によるダウン価格が高騰。また、海外ブランドの増加などにより消費者嗜好の変化が顕著になっている。