うるるのデータ化サービス「カミメージ(KAMIMAGE)」が利用者を伸ばしている。「カミメージ」はタブレット上で手書き入力した顧客情報を最短15分でデータ化、集積するサービスだ。簡単な無料登録後、ブラウザを使って手順に従って必要な質問項目を選択するだけで会員登録やアンケートなどの専用フォームを制作できる。また、アパレル専用のテンプレートも用意されているほか、画像の挿入、撮影機能の追加など、自由度の高いデザインと扱いやすさが特徴だ。タブレットと市販のペンさえあれば、全国どこの店舗でもすぐに利用が可能だ。
プランはフリープラン(月額利用料金0円)、ライトプラン(同5,000円)、スタンダードプラン(同1万5,000円)、プレミアムプラン(同3万円)の4タイプ。催事や展示会で使用する場合は、日額プランもある。野坂枝美・カミメージプロジェクトリーダーは、「従来の紙による会員獲得に比べれば、コストは70%程度」と話す。「ウェブ上の会員登録を促すために店頭でQRコードやURLの書いた紙を配るところも多いが、登録率が低い。店頭で紙を用いて顧客情報を記入していた時と比べ、登録率が20%程度下がった企業もある。会員登録率をアップするためには、店舗で完結する方法を採用する必要がある。また、用紙を使った会員登録では、回収集計などの作業によりメルマガ配信までに1カ月近くラグができてしまう。紙をタブレットに置き換えることにより鮮度の高い情報配信やアプローチが可能。リピーターの増加や機会損失を減らせる」と利点について語る。他にも紙運用による用紙の紛失や配送中の事故など個人情報流出の機会激減など、メリットは多い。現在、作成したデータを企業ごとのCRM(顧客データベース)に直接送信することで、自社ECサイトなどへの連動も簡単にできるが、7月末には集積データの解析・共有サービスも展開予定という。
うるるは在宅ワークという働き方をスタンダード化することを目的に、データ入力受注からスタートした。現在は2月にローンチした「カミメージ」の他、クライアントと在宅ワーカーのマッチング事業やビジネスの効率化支援などを手掛ける。カミメージのデータ化には、これまで築きあげた全国在宅ワーカーのネットワークを利用するため、「OCR(機械文字認識)に比べ、読み取りエラーの割合は非常に低く、記載者に負担をかけることなくデータ化ができる」という。個人情報が分からないレベルに分解した項目を複数のワーカーが同時にデータ化し正誤を照合するなど、正確なデータ化とセキュリティ基盤も同社の魅力だ。