エイチ・ツー・オー リテイリングの2015年4〜9月期連結決算は、売上高が前年同期比126.7%の4414億円、本業のもうけを表す営業利益が同129.1%の75億円になり、過去最高を更新した。前期にイズミヤとの経営統合により発生した約100億円の負ののれん発生益をに計上したため、純利益は同50%の63億円になった。主力の百貨店事業において、阪急うめだ本店を中心とする都市型百貨店での高額品の売り上げが好調だったことに加えて、外国人観光客の免税品売上高が100億円を突破。前年度の27億円から4倍近く跳ね上がった。
主力子会社の阪急阪神百貨店では、紳士服が商品別売り上げで伸長した。8月末から9月にかけて相次いで実施した阪急メンズ大阪、阪急メンズ東京の大規模改装が奏功し、「特に阪急メンズ大阪は直近10月までの売り上げが120%に伸び、改装効果が顕著に出ている」と荒木直也・阪急阪神百貨店社長。同店の売り上げを含む阪急うめだ本店の売上高は同116.9%の1008億円、阪急メンズ東京の売上高は同111.7%の65億円になった。
16年3月期の連結業績予想は、売上高が前期比108.6%の9171億円、営業利益が同115.2%の246億円、当期純利益が同120.8%の140億円を見込んでいる。21年秋の改装オープンを目指し建て替え工事中の阪神梅田本店について「売り場面積が40%減少している現状で、売上高は214億円と20%減に留めることができた」と説明したうえで「下期もこれをキープしながら、阪急うめだ本店に集中投資する」と荒木社長。「(同店の)通期の業績予想は2174億円で、12年の建て替え初年度に掲げた目標の2130億円を達成する見込み。"西日本一のファッションストア"にするべく、改装によってさらにワンランク上の店作りを目指す。ハンドバッグ売り場に続き、来春に3?4階婦人服、来秋にも改装を行い、総額50億円規模の投資を行う」と続けた。