「WWDJAPAN」は2024年度、月に1回の頻度でセミナーを開講している。Z世代をテーマに据えた前回に続き、7月は販売員の提案力を磨くための講座をTSIホールディングスの協力の下で実施した。高まるリアル店舗の重要性に、販売員はどう向き合えば良いのか?販売員に求められるトレンドの知識のインプットから、プロのスタイリストが指南するコーディネートの実践まで、店頭での販売力に直結する学びを2時間半に詰め込んだ。
視聴期限:2025年8月2日(土)23:59 まで
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求められる役割はスタイリスト
「クワイエットラグジュアリーが隆盛を迎える今、販売員は“定番アイテムを斬新なコーデに落とし込む”スタイリストの役割が求められている」。本セミナーの冒頭、村上要「WWDJAPAN」編集長はそう切り出した。
ファッションの潮流は、大きなロゴや原色のマルチカラー、派手なスニーカーが主役の時代から、コロナを境にジャケットやシャツ、デニムなどのベーシック志向へと回帰している。市場をけん引するビッグトレンドが見当たらず、商品単品で新鮮味を作ることが難しくなる中、店頭でのスタイリングやVMD、つまり販売員の「提案力」がますます重要になっている。本セミナーを開催した意義も、まさにここにある。
第1部は、“日本で一番アパレル販売員を取材している”ライターの苫米地香織氏と、「アプワイザー・リッシェ」「カデュネ」など人気ウィメンズブランドを擁するTSIホールディングス傘下アルページュの野口麻衣子社長を迎え、これからの時代の販売員の役割について村上編集長と共に議論した。「今や、販売員も服飾専門学校の卒業生と同等の知識が必要。知識はセンスになる」(苫米地氏)「知識に着心地など自分の体験を足すことで、より充実した接客になる」(野口社長)といった、現場をよく知る2人ならではの的確なアドバイスが光った。
リアルトレンドでもスタイリングの重要性が浮き彫りに
第2部は、国内ウィメンズアパレルを精力的に取材する本橋涼介「WWDJAPAN」シニアエディターが登壇。トラッド&ベーシックに回帰した今秋冬の傾向を押さえた上で、「レザー」「赤」「ファーリー」「リボンディテール」「ポインテッドトゥ」などのキーワードとアパレル各社の打ち出しを紹介した。「商品の目新しさでは勝負できない分販売員のスタイリング力がそのままブランドの実力値になる」と考察した。
人気スタイリストが教えるリアルなスタイリング術
第3部は、女性誌やモード誌で活躍するスタイリストの濱本愛弓と佐藤まどか「カデュネ」販売統括マネージャーを交え、実践的なスタイリングを学ぶ場に。「カデュネ」をはじめTSIホールディングスが抱える人気ブランドのアイテムで、計6体のコーデを組んだ。
解説は、今季注目の「赤」をインナーに取り入れたルック1からスタート。ベーシックなジャケットコーデに、今年らしさをプラスした。足元はスクエアトゥのパンプスを合わせ、カジュアルなデニムスタイルに女性らしさを加えた。
ルック2は、ネルシャツをベルトのように巻くことで、肌の露出が気になる人にもミニ丈のボトムスを提案しやすくした。「必ずしも“こう着ないといけない”という縛りはない。自分が自信をもって楽しめば、苦手意識のあるアイテムやチャレンジングな着こなしも馴染んでくる。それがセンスになる」(濱本愛弓スタイリスト)。
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カーディガンをハイウエストのデニムに合わせたルック3、フレアラインのツイードトップスを軸に組んだルック4と、シルエットを生かしたスタイリングが続く。ルック4は、インナーのシャツの襟を立たせ、レイヤード提案に一癖を加えた。佐藤マネージャーは、「“魅せるレイヤード”がトレンドの今、実用的なレイヤードの提案はお客さまの満足度につながる」とコメント。
ルック5はオールホワイトの甘めコーデにMA-1を合わせた甘辛ミックスコーデ。「甘めコーデをする人は、きっとMA-1を持っていない。意外と提案しやすい」(佐藤マネージャー)。
ルック6で登場したパンツは、同じ素材のミニスカートもある。濱本スタイリストは「スカートはベルトのように腰に巻きつけてワンピースに合わせるのもおすすめ」と話し、新しいレイヤードでスタイルをアップデートした。
セミナー後は、登壇者と聴講者で恒例のミートアップを実施。ドリンクやスイーツを片手に、実践的な学びにあふれた2時間半を締めくくった。
視聴期限:2025年8月2日(土)23:59 まで
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