ファッション

ケリングのピノー一族が中国へ清朝の彫刻を寄付

?ケリング(前PPR)のピノー一族が清朝の彫刻を中国へ寄付した。寄付されたネズミとウサギの頭のブロンズ像は、以前イヴ・サンローランとイヴ・サンローラン財団のピエール・ベルジェ会長が保有しており、サンローラン死後、2009年にベルジェ会長がサンローランと同会長が所有していた700点のアートコレクションをオークションに出品した際に出品し、物議を醸した作品だ。そのオークションは、総額3億7350万ユーロ(約481億8100万円)という驚異的な金額をたたき出し話題になった。

?オークションを行なったクリスティーズは、欧州における中国の芸術品を保護する協会(The Association for the Protection of the Arts of China in Europe)がそれらの彫刻はアヘン戦争時に北京の乾隆帝の夏宮殿から盗まれた12点の一部であり中国へ返還されるべきだという申し立てを拒否し、オークションに出品。それらの彫刻は、匿名の人物からの電話による入札により、各1570万ユーロ(約20億2500万円)で落札された。

 リリースによると、ピノー一家は「中国における国宝を取り返すのに大変苦労した。これらは、中国に還元されるべきだ」と述べている。「中国における芸術と文化の保護に協力したいと思ったのは、中国新政府の他国との協力と調和を強調する見解から」とケリングのフランソワ=アンリ・ピノー会長兼最高経営責任者(CEO)はコメント。ピノー会長兼CEOは、中国政府の文化遺産管理局と共に、これら国宝である彫刻が中国に返還される時期を検討するようだ。ピノー一族は、クリスティーズを傘下に置いており、同オークションハウスが国宝の中国への帰還を円滑にする役割を担う事を期待している。

 ケリングは、「グッチ」を始め「サンローラン」「バレンシアガ」などを傘下に持つ仏コングロマリット。同グループの2013年度第1四半期のアジア・パシフィック地域の売上高は「グッチ」が全体の38%、「ボッテガ ヴェネタ」が20%、「サンローラン」が13%を占めている。ケリングは、ラグジュアリーのコングロマリットとして、消費減速といわれている中国市場に対し、いち早く切り札を出したといえるだろう。

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