経営再建中のビッグジョンは、本社(岡山県倉敷市)に設置していた企画部門を東京支社に移動させたほか、欧州や米国に向けた輸出事業を強化する。百貨店やジーンズ専門店など、現場に即した企画を提案することで、スピード感のある社内体制を整える。基幹ジーンズブランド「ビッグジョン」は1万円台前半の価格帯で、今後も百貨店販路を開拓。また、海外事業は、欧州で開催されているカジュアル合同展「ブレッド&バター」への参加を継続し、多くの取引先を持つ米、独、仏といった国への訴求を強める考え。
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同社は4月から、地元金融機関や県信用保証協会が出資する官民一体型の中小企業再生ファンド「おかやま企業再生ファンド」の支援により経営再建を図っている。すでに、創業家の尾崎博章・会長と尾崎篤・社長は引責辞任し、新社長に市原修・東京支社東日本エリアマネージャーが就任。倉敷市にある本社工場を閉めるほか、希望退職による人員削減を行ないながら、販売・企画力の精度向上を目指している。
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同社は1940年に創業した学生服・作業服メーカーのマルオ被服が前身。60年代にジーンズメーカーに転換して以降、業界でヒット商品を送り出してきた。ピーク時の売上高は182億円(93年1月期)。近年はグローバルSPA(製造小売業)のジーンズにシェアを奪われており、2013年1月期は25億円に縮小していた。