ファッション
連載 今週の学生に読んでほしい記事3選 第47回

「レナウン」復活の反響、「あさイチ」レポーター“大ちゃん”のブランド買収とは?

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この連載は週に一度、「WWDJAPAN Digital」に掲載した記事から学生に読んでほしいものを厳選し、記者のコメント付きで紹介するものだ。今回は、「レナウン」の社名復活や、「あさイチ」レポーター「大ちゃん」が手掛けるブランドの買収、「CFCL」のインタビューの3つの記事を掘り下げる。ニュースの読み方を知るとともに、面接やビジネス会話のヒントになれば幸いだ。

【記事1】
「レナウン」の社名が復活

小泉グループのオッジ・インターナショナル(大阪府、辰己貴義社長)は、11月2日付けで社名を「レナウン」に変更する。かつて存在したレナウン(以下、旧レナウン)は、コロナ禍のあおりを受けて2020年5月に破産。オッジ・インターナショナルが同年9月、同社の主力事業であった「アクアスキュータム(AQUASCUTUM)」「ダーバン(D’URBAN)」ブランドの事業を譲受した。今年8月には、破産手続きを終えた旧レナウンは法人としては消滅していた。(全文はこちら

<記者の解説>

今年8月に破産手続きを終え、法人としては事実上消滅したばかりのレナウンがまさかの「復活」!SNS上などでは驚きとともに好意的に受け止める声が多く見られた。“レナウン”の冠に、一世を風靡した1970-80年代当時ほどの神通力はない。だが「アクアスキュータム」は若年層獲得へストリートテイストを加味した新ラインを立ち上げるなど面白い動きをしている。新生レナウンの今後に注目したい。(本橋涼介/シニアエディター)

【記事2】
LVMH系投資会社が資本参加するシーフレーバーズが
三上大進のdr365を買収

LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LMVH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)系の投資会社、Lキャタルトン・アジア(L CATTERTON ASIA)が資本参加するCi FLAVORS(シーフレーバーズ)はこのほど、スキンケア研究家・コメンテーターとして活躍する三上大進が代表を務めるdr365の全株式を取得し、子会社化した。dr365はスキンケア商品の開発・マーケティングに対する豊富なナレッジを活かしながら、さらなる事業領域の拡大と海外への販路拡大を図る。(全文はこちら

<記者の解説>

三上大進さんは、NHKでパラリンピックのレポーターや、「あさイチ」の美容にまつわるコーナーでレポーターを担当し、「大ちゃん」の愛称で親しまれている。バックグランドは日本ロレアル、ロクシタン ジャポンでキャリアを積んだ美容業界人だ。「あさイチ」の視聴者や自身が発信するインスタグラムなどに集まる肌悩みを解決したいと2021年11月にスキンケアブランド「dr365」を立ち上げた。皮膚科医が監修し、自らも原料一つ一つにこだわり、安全性が高くエビデンスがあり、皮膚刺激の少ない商品を展開する。商品力の高さと自らの発信力を生かして、多くの人を魅了。わずか3年余りで投資会社から注目を集めるほど急成長を遂げたのは納得しかない。(牧田英子/副編集長)

【記事3】
「CFCL」に聞くサステナビリティの現在地
「日本の素材は別格だが、国際認証取得が課題」

日本のアパレルとサステナビリティ、と聞いて多くの人が思い浮かべるのが「シーエフシーエル(CFCL)」だろう。2020年2月に設立し、22年7月に日本のアパレル初となるBコープ認証を取得。24年2月にはパリ公式スケジュールで初のランウエイショーを開くなど、国内外に市場を広げている。特にサステナビリティの観点から彼らがこの4年半で選択してきたこと、抱える課題を高橋悠介「CFCL」代表兼クリエイティブ・ディレクターに聞いた。(全文はこちら

<記者の解説>

「CFCL」は今やアパレル×サステナビリティの代名詞。認証取得素材の使用率が90.52%は驚異的で、世界で見ても群を抜く高さだ。使用素材を絞り込み、かつ同じ素材を使い続けるといったデザイン&ビジネス戦略がそれを可能としている。同じ素材を使い続けながら、パリコレではどのようにして「新しさ」を表現するのか?その答えがこのインタビューでは書かれている。カギを握るのは、研究から開発、企画、生産までを一貫して行う自社生産拠点「CFCLニッティングラボ」の存在だ。また、記事タイトルにあるように、ここ数年、欧米中心にサステナビリティ関連の法規制が進んだことで、日本製の生地が海外での基準をクリアできない可能性も出てきている。これは一社ではとうてい解決できない、国を挙げての大問題。高橋悠介「CFCL」代表兼クリエイティブディレクターはともすれば自社の弱みともなるその課題をあえて公言することで、産業全体に警鐘を鳴らし、政府を含めた日本全体での対応を求めている。その姿勢もまた、新しいリーダー像と言えるだろう。(向千鶴/サステナビリティ・ディレクター)

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