J.フロント リテイリング(JFR)、森ビル、Lリアルエステート、住友商事の4社は、銀座松坂屋の跡地を中心にした再開発プロジェクト「銀座六丁目 10地区第一種市街地再開発事業」を一体で進める。4社でプロパティマネジメント会社を設立し、830億円を投じて2016年11月竣工予定の複合ビルを建設する。低層部(地下2階・地上6階、13階の一部)の商業施設は4万6000�uと銀座地区で最大の商業施設になる。LVMHが出資する不動産ファンドのLリアルエステートも参画し、ファッション、ライフスタイル、飲食まで高級ブランドを主力とした250〜300のテナントを誘致する。2日に行なわれた4社合同会見でJFRの山本良一・社長は「百貨店のDNAを引き継いだ全く新しい商業施設を作る」と意気込みを見せた。松坂屋の屋号を残すかについては「商業施設と(上層部の)オフィスを一体化した名称を検討している」と説明するに留まった。
再開発プロジェクトは中央通りに面した旧銀座松坂屋跡地と隣接する街区を合わせた1.4haの大規模なもの。商業施設面積は銀座三越や松屋銀座の約1.5倍とエリア最大になる。施設コンセプトは「Life At Its Best(最高に満たされた暮らし)」で、ハイクオリティ・ハイクラスのテナントで構成する。JFR、森ビルのほか、世界中でラグジュアリーブランドを中心とした商業施設を手掛けるLリアルエステート、晴海トリトンスクエアやテラスモール湘南などで実績のある住友商事が手を組むことで「マーケティング、リーシング、運営管理でそれぞれの強みを発揮できれば、最高のシナジーを発揮させる」(山本社長)。中央通りに面したファサードは約115mあり、ラグジュアリーブランドの旗艦店が入ることが予想される。会見に出席したLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトンのイブ・カルセル=メンバー・オブ・ザ・LVMH エグゼクティブ コミッティは「LVMHのいくつかのブランドが関心を寄せている。どこが入るかは時期尚早だが、多くのブランドが参画したいと考えているはず」と話した。