サルヴァトーレ フェラガモは5月12日、フィレンツェ市内の美術館の管理組織フィレンツェ美術館特別監督局と契約し、美術館の改修プロジェクトへ資金提供することを発表した。主にウフィツイ美術館の8つの展示室の空気処理やセキュリティシステムを改善するプロジェクト。改修中の部屋は1年以内に再開し、15世紀のフィレンツェ美術絵画50点ほどを展示するスペースを完成させる予定だ。
フェルッチオ・フェラガモ=サルヴァトーレ フェラガモ グループ社長は、クリスティーナ・アチディーニ=フィレンツェ美術館特別監督局責任者立ち会いのもと契約書にサインし、60万ユーロを寄付。同プロジェクトへの参画については、「文化団体とパートナーシップを組むこと、そしてあらゆる形で芸術を促進するイニシアチブに協賛することは、当社ブランドのDNAに刻み込まれています。昔の栄光を取り戻せるように空間を修復し、高度なテクノロジーで設備を充実させ、フィレンツェの人々や世界から集まる観光客に楽しんでもらえると思うとわくわくします」とコメントしている。
ウフィツイ美術館の第三回廊入り口に位置する8つの展示室を対象に、空調や除湿器機などの空気処理や、行動探知機、赤外線探知機、防犯カメラなどセキュリティシステムを強化するほか、一部フロアの改修も行なう。新たなレイアウトを設計したアントニオ・ゴドリ=ウフィツイ美術館建築博物館学主任が「今回の改修、特に、新しい直接照明によって、20世紀初頭に立てられた大きな天窓がある美術館の室内の見た目が変わることはありません」と述べるように、今回の工事で内装を大きく変化させることはないという。
なお、フィレンツェ美術館特別監督局は、改修後に展示予定の作品や展示室のレイアウトをウェブサイトで公開している。