レスポートサック ジャパン傘下のアンティテージは、イギリス・ロンドン発の低価格服飾雑貨ブランド「アクセサライズ（ACCESSORIZE）」の日本における独占販売権を取得し、本格的な取り扱いを開始した。同ブランドは2006年に日本法人を設立し上陸したが、当初の計画通りに店舗開発が進まず撤退。10年からはMAJIが総代理店として日本でのビジネスを手掛けてきた。今回の取得の経緯について、アンティテージ / アクセサライズジャパンの篠原隆一・最高財務責任者（CFO）は「本国のモンスーン・アクセサライズ社は、成功には積極的な出店戦略が必要と考えている。それを実現できるノウハウを持っているということで、本国から話を持ちかけられた。現在の日本市場には少ないハンドクラフト感のあるバッグやデコラティブなアイテムをリーズナブルな価格で提案しているところを魅力に感じ、取り組みを決めた」と話す。すでに今秋、MAJIからテラスモール湘南の店舗運営とゾゾタウンでの取り扱いを引き継いでいる他、来春には2店舗のオープンを予定する。初年度の目標売上高は3億円（上代ベース）。5年で20店舗まで増やし、売上高20億円（上代ベース）を目指す。「トラフィックが多い都市圏のファッションビルを中心に、50?80平方メートルの小型店を出店していく。路面店については、原宿・表参道エリアに250平方メートル規模の店を計画している」とし、「レスポートサック（LESPORTSAC）」とは異なる販路で拡大を図る。
日本での商品構成は、主力であるバッグやスカーフ、ヘアアクセサリーといった服飾雑貨と、ネックレスやピアスなどのアクセサリーに加え、インナーウエア、ビーチグッズなどのシーズナル・アイテム、キッズ、ステーショナリーと幅広く、本国の約70％の商材をそろえる。価格帯は、バッグ（クラッチを含む）が1890?6290円、アクセサリーが330?3590円、スカーフが1890?3990円など。内外価格差を抑え、本国と同じ価格帯を実現している。「最大の強みは、ブランド設立当初からインドやアフガニスタンの工場と長期的に関係を築き、手の込んだアイテムをこの価格帯で提供できる生産環境を持っていること。将来的には、バッグのサイズなど日本のお客さまに合わせた商品開発も行いたい」と篠原CFO。日本では、28?35歳のキャリア層をコア・ターゲットに据え、平均客単価2000円を目指す。また、「レスポートサック」で培った社員教育や接客スタンダードは積極的に「アクセサライズ」でも活用し、エンターテインメント性の高いサービスを提供していく。
「アクセサライズ」は1980年代初頭、刺しゅうやビーズワークなどを駆使したエスニックテイストのウエアを得意とするハイストリートブランド「モンスーン」のアクセサリー・コレクションとしてスタートした。84年に服飾雑貨主力の業態として独立し、ロンドンのコヴェント・ガーデンに1号店をオープン。現在は、英国内に約360店舗を構える他、世界73カ国に1000店以上を擁し、世界全体の売上高は700億円に上る。昨年3月には英モンスーン・アクセサライズ社に、米アップル社のリテール担当シニア・ヴァイス・プレジデントなどを務めたジョン・ブロウェット最高経営責任者（CEO）が就任。現在、商品開発や店舗デザインなどの改革を推し進めている。
