名古屋鉄道の子会社で商業施設を運営するメルサは16日、銀座5丁目の「ニューメルサ」を全面改装した「イグジットメルサ」を18日のグランドオープンに先駆けて関係者に公開した。9フロア・店舗面積4908平方メートルに入る39店のうち27店が新しい顔ぶれ。ターゲットを30歳の女性に若返らせるとともに、「ラオックス」銀座2号店を誘致してインバウンドの集客を見込む。改装前の売上高は30億円だったが、改装初年度は一気に80億円を計画する。
目玉は6〜7階に入る「ラオックス」だ。改装前に掲げていた青い「ニューメルサ」の屋上看板は、赤い「ラオックス」の屋上看板にかけ替えられた。商業施設で最も目立つ屋上看板をテナントに譲るのは異例だが、「ラオックス」の強力な集客力などを勘案して、大胆な決断を下した。「ラオックス」は6丁目の銀座1号店を上回る1485平方メートル。時計、ジュエリー、バッグ、家電、食品、化粧品などに加えて、インバウンドにも人気の「サマンサタバサ」のショップインショップ(約10坪)を誘致した。また「ラオックス」とは別に、4階にはラオックスがメード・イン・ジャパンにこだわって開発した婦人服ブランド「オリガミ」の店舗が入る。メルサはフロアごとの売上高目標を明らかにしていないものの、施設売上高のかなりの部分を「ラオックス」が占めることになりそうだ。
ファッション・雑貨関係では、銀座初出店の「メーカーズシャツ鎌倉」、日本初上陸のスペイン雑貨店「ムイ ムーチョ」、ラオックス傘下のモード・エ・ジャコモが輸入販売する伊シューズ「フレックス」、フォリフォリ傘下の英アクセサリー・時計ブランド「リンクス オブ ロンドン」、エプロン・キッチン雑貨の「アモリコ」などが入る。
前身の「ニューメルサ」は1977年に開業。銀座5丁目の中央通り沿いの一等地で営業を続けてきたが、顧客の世代交代が進まず、売上高は88年の96億円をピークに縮小に歯止めがかからなかった。全面改装で新しい顧客を獲得し、長期的には売上高100億円を視野に入れる。