3月31日付で「サンローラン(SAINT LAURENT)」のクリエイティブ・ディレクターを退任したエディ・スリマン(Hedi Slimane)は、ケリング(KERING)との競業避止義務契約をめぐり、パリ商事裁判所に訴えを提起した。
ブランドや企業が退任したデザイナーやCEOに対し、競合他社で働くことを阻止する競業避止義務契約を結ぶのは珍しくない。しかし、ケリングはエディとの4年間の雇用契約期間が満了した後、彼との同契約をすぐに打ち切った。同社は「われわれはエディを制限させないように契約を打ち切ったものの、彼はこの契約の継続を要求しており、契約に伴う報酬の支払いも請求している」とコメント。エディからのコメントは得られていないが、前回も「ディオール オム(DIOR HOMME)」を去ってから「サンローラン」に再入社するまでの間、しばらく写真やアートに専念していた彼は、今回もすぐに他のメゾンに移る意向がないとみられる。
ケリングは「今回の提訴を受けても、エディが『サンローラン』にもたらした功績は変わらない。われわれは共にメゾンを生まれ変わらせた」と加えた。