ビューティ賢者が
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ビューティ・インサイトは、「WWDJAPAN.com」のニュースを起点に識者が業界の展望を語る。今週は、リジェネラティブという表現の話。(この記事は「WWDJAPAN」2024年9月23日号からの抜粋です)
PROFILE: 渡邉弘幸/ウカ代表取締役CEO
【賢者が選んだ注目ニュース】
この夏、ウカは「ヘッドセラピー」シリーズが誕生して10年目の節目を迎えヘアケアシリーズをフルリニューアルして「リジェネラティブ グッド」シリーズと命名した。同シリーズでは伊豆の自然が育んだクロモジやフノリといった原料をふんだんに用いているが、これらを使えば使うほど自然環境の循環を産む仕組みが作れることに気が付いたときに、すごいことができると感動したのだった。この次のステップとして課題になったのが、この仕組みをどう表現するかだった。昨年ヘナカラーを打ち出したときから、傷んだ頭皮や体を回復させることを言い当てる言葉が必要だと思っていた。
そんなときはとにかく辞書や文献をあたって、言葉を探す。感覚的に一番近いと思ったのが、回復力や復元力、再起力などと翻訳される「レジリエンス」だった。しかし、どちらかというと逆境や困難を乗り越えるときに使われたり、災害からの一早い復興を言い表すなど、美容の文脈で使うにはしっくりこない。
最適な言葉を探してずいぶんと頭をひねっていたときに、「WWDJAPAN」の記事から飛び込んできたのが「パタゴニア」が発表した「リジェネラティブ・オーガニック認証」だった。持続可能な農法のさらに先を行くリジェネラティブ・オーガニック農法に着目し、地球と人間を含む全ての生物の健全性を着実に改善するという。実はアメリカのビジネスパートナーからは「リジェネラティブ」という言葉をすすめてもらったことがあったのだが、そのときはいまいちピンとこなかった。しかし、「リジェネラティブ・オーガニック認証」に加盟する企業を見るとほとんどが農家であり、「パタゴニア」が新たな一つのムーブメントを作ろうとしていると感じたのだった。そこでわれわれは「リジェネラティブ グッド」とアレンジすることにしたのだった。
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