イオンモールは8月22日、岡山駅前の林原跡地に12月5日にオープンするショッピングセンター(SC)「イオンモール岡山」の概要を発表した。郊外立地を主力にしてきたイオンモールとしては初の本格的な都市型SCで356店舗、地下2階・地上8階の10層構造とし、日本では初めて商業施設内に地元テレビ局がスタジオごと入居する。年間の来場者数は2000万人を想定し、岡山県全域に加え、周辺の地域からの集客を見込む。岡崎双一・社長は、「中四国の要所である岡山だが、久しぶりの大型商業施設が開業することになり、現時点でも天満屋が改装するなど、エリアの商業レベルが上がり、岡山の経済発展が一段階上がったと自負している」と語った。イオンモール岡山は日本では初めて商業施設にテレビ局のスタジオとオフィスが入居し、館内には300インチの大型ヴィジョンを始め、50箇所にデジタルサイネージを設置し、ウェブ放送局も導入するなど情報発信を強化。「オムニチャネル化を見すえ、今後はすごいことができそうだ」と語り、ECや通販との連動を示唆した。総賃貸面積は9万2000平方メートルだが、道路を挟んで向かいのビブレ跡についても、「建物を建て替える。どのような商業施設にするかはまだ決めていないが、いろいろと検討している」という。
全356店舗のうち、全体の7割弱にあたる238店舗が岡山初出店になり、競合が懸念されているイオンモール倉敷とは「全く別物」(岡崎社長)という構成。グランドフロアである1階には4層吹き抜けの最大2000人を収容できるパブリックエリアを設け、イベントなどによる情報発信を強化するほか、高島屋と組んで展開する「タカシマヤ フードメゾン岡山店」に加え、スーパーのイオンの食品では惣菜やフルーツ、生鮮などの対面販売を導入。食品ゾーンだけで約7400平方メートルで展開する。
また、地元企業との連携も重視し、クロスカンパニーやカイタックグループ、サキヤクリエイトなど、岡山県発のテナントも多く導入した。「アース ミュージック&エコロジー」「セブンデイズ サンデイ」「イーハイフンワールドギャラリー」という3業態を出店するクロスカンパニーの石川康晴・社長は「『アース』では国内最大の378平方メートルの店舗を出店し、アジアの旗艦店にする。初のメンズや地元企業と組んだ食、インテリアを展開する。岡山県に本社を置く企業として新しい試みをするのによいきっかけになった。ここでの成果を全国の店舗に広げていきたい」と語った。