ビューティ賢者が
最新の業界ニュースを斬る
ビューティ・インサイトは、「WWDJAPAN.com」のニュースを起点に識者が業界の展望を語る。今週は、定着しはじめたメンズビューティの未来の話。
矢野貴久子「BeautyTech.jp」編集長 プロフィール
雑誌編集者を経て1999年からデジタルメディアに関わり2017年、アイスタイルで媒体開発に着手。18年2月に美容業界のイノベーションを扱うメディア「BeautyTech.jp」の編集長に就任
【賢者が選んだ注目ニュース】
メンズスキンケアが「当たり前」になりつつある今、ここから先どのような顧客アプローチをすべきなのかを今回は考えてみたい。データ的エビデンスというよりは肌感覚に近いものだが、数年前のトレンドと2024年の今は、メンズビューティに対する人々の意識に大きな違いを感じるからだ。
19〜20年ごろ、グローバルではスキンケア、メイク含めメンズビューティブランドのトレンドは大きく二つに分かれていた。「マスキュリニティ(男性性、男らしさ)」と、「ジェンダーフリー志向」だ。スキンケアは女性がするもの、という意識がまだまだある中で、ひげや髪のケアなどグルーミングが中心だった男性のセルフケアの延長線上でスキンケアをするのは抵抗がない人が多く、そういった人々が好む男性性や力強さを意識したパッケージのブランドである。一方で、多様性・包括性の考え方から「より自分らしくありたい」人々は、性別に関係なく自分に合うものを選びたい「ジェンダーフリー志向」でブランドや商品を選んでいた。新しく立ち上がるD2Cブランドも、あまり性別を意識させないニュートラルなブランディングが目立った。
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