TSI傘下HYBESの「エトレトウキョウ(ETRE TOKYO)」は、高価格帯ライン「サンテ(SANTE)」を来春スタートする。
フランス語で“乾杯”を意味するブランド名から想起するように、パーティーなど華やかなシーンでの着用を想定したドレッシーな装いを提案する。上質な素材とテーラリングにこだわったジャケット&パンツを軸に、価格帯はジャケットが6万円〜、ワンピースが4万円〜と、「エトレトウキョウ」よりも一格上に設定した。
昨春に伊勢丹新宿本店でテスト販売し、手応えを得たことで正式ローンチに至った。「百貨店はミセス、キャリアフロアのブランド・商品ラインアップが固定化する中で、新客獲得のフックになる感度の高いブランドを求めている」と二階戸貴志HYBES社長。そんな百貨店側のニーズとも合致する形で、「サンテ」は「エトレトウキョウ」にはなかった百貨店の上顧客とのタッチポイントを狙う。
百貨店に行っても
欲しい勝負服がない!
「私自身年齢を重ねて、一昨年に結婚もした。『エトレトウキョウ』の服だと少し心もとないフォーマルな場に行くことも増えた」とディレクターのJUNNA。「そういったときにまずは百貨店に足を運ぶが、正直これじゃ満足できない、許せない!と感じることも多かった」と話す。
「サンテ」はオケージョンシーンに限らず、着こなし次第では日常のシーンでも使えるバランスやディテールにこだわった。アウターのカラーリングは「エトレ」のシグニチャーであるベージュの色味を混ぜたグレー、ブラック、ネイビーの3色を軸に、インナーで遊び心をもたせる。25年春の大ぶりのフリルをあしらったブラウスは、「普段の私だったら、ワイドパンツにタックアウトで着るけれど、かしこまった場面ではタックインする。するとフリルの下の部分は縫い付けていないので、揺れ動くアクセントになる。オン・オフ両方のシーンでしっかり仕事をしてくれるのが魅力」と語る。
「サンテ」は「エトレトウキョウ」の新宿ルミネ2の実店舗では展開せず、ブランディングとしては世界観を分けていく方針。「ただ、私がインスタライブなどで紹介する中で、『エトレ』のこの服と『サンテ』のこの服は合いますか?という類の質問はきっといただけるはず。そういうご質問にはお客さま目線に立ち、きっちりお返事できるようにする」。主に百貨店などでのポップアップ展開で認知を広め、「将来的には単体ブランドとして独り立ちできるところまで持っていきたい」。