ソフトバンクグループが主催する法人向けイベント「ソフトバンク ワールド 2014」が15日、東京のザ・プリンスパークタワー東京で開催された。明日16日までの2日間にわたる同イベントは、講演や顧客企業によるセッション、企業紹介ブースなどで構成する、法人向けとしては同グループ最大規模のもの。初日は孫正義ソフトバンクグループ社長や、グループのジャック・マー=アリババグループ会長、宮坂学ヤフー社長兼最高経営責任者(CEO)が基調講演を行ない、3400人の関係者や一般応募者らが訪れた。
講演で孫正義ソフトバンク代表は、低迷が続く日本経済の復活のため、生産性と労働人口の増加が必要とし、「生産性向上のカギは情報武装。ソフトバンクでは社員全員が自社スマートフォンやタブレットを持っている。最先端機器を用いてビッグデータを蓄積し、顧客のニーズを探る必要がある。また、労働人口は汎用性生産ロボットの普及によって解消される。いずれはロボットが日常生活に不可欠な社会が来ると確信している」と述べた。
続いて基調講演を行なったジャック・マー率いるアリババは、年末にアメリカで株式公開(IPO)を控える。しかし、「今は非常にクリティカルな時期だ」としてアリババに関しては触れず、「これからはITではなくDT(データテクノロジー)が主流。顧客のデータが企業成長につながるというC to Bの時代が来る。10、15年先を信じて、企業理念を貫くことが重要だ」と、未来の展望と、経営信念を語った。
宮坂学ヤフー社長は、顧客が集まらないという現代の問題点を挙げ、「顧客を集めるため、これからの広告には3Dプリンタなどの最先端技術を用いた『アート』による記憶付けと、『テクノロジー』によるタイミングの選定が重要。ビッグデータを用いて、ピンポイントにタイミングよく、広告を顧客へ届けたい」と話した。
■ソフトバンク ワールド 2014
日時:2014年7月15日、16日10時〜19時
会場:ザ・プリンスパークタワー東京(東京都港区芝公園4-8-1)
基調講演(登壇順)
■7月15日
孫正義ソフトバンクグループ代表
ジャック・マー=アリババグループ会長
宮坂学ヤフー社長兼最高経営責任者(CEO)
■7月16日
宮内謙ソフトバンクテレコム社長兼COO
パット・ゲルシンガー=VMウェーブCEO
レオ・スピーゲル=ピボタル ソフトウエア シニア・ヴァイス・プレジデント
河合敬一=グーグル グループ プロダクト・マネジャー