資生堂は3月11日、末川久幸・社長が3月末で退任し、4月1日から前田新造・会長が社長を兼任する人事について、11日に会見を開き、社長交代に至った経緯や理由を説明した。臨席した末川社長は「四半期ごとに業績を下方修正せざるを得ない厳しい状況の中、2月ごろから体調に不安を抱えるようになり、全力疾走が難しくなった」と健康問題による退任であると説明。前田会長がカムバックすることについて「豊富な経験に加え、強いリーダーシップと、経営改革や全社経営に深い理解が必要。後継者が育っていないことを踏まえ、前田会長に兼任をしてもらうことを決断した」と理由を述べた。
前田会長は「当初は、自身の経営監督の立場から、厳しい経営状況に対して自責の念もあり固辞したが、次期CEOを選任するまでの間、社長を兼務することで会社に恩返しができるのであればと決心した。再び成長軌道にのせる道しるべを作るのが課された任務。構造改革をやり遂げ、あらゆる領域を見直すことに変わりはない」と意気込みを語った。