ファッション

「ストラスブルゴ」ウィメンズ、銀座店を再オープン オリジナル商品が売り上げけん引

セレクトショップのストラスブルゴ(STRASBURGO)は、2020年末に閉店した東京・銀座のウィメンズストアを、10月18日に再オープンした。ストラスブルゴは元運営会社のリデアが20年に民事再生法を申請し、23年末からはワールド傘下で再建を図っている。ウィメンズ全体の売り上げが回復軌道に乗ったことから閉めた店舗と同じ場所で再オープンを決めた。

メンズストアと併設する同店の売り場面積は138.9平方メートルで、ウィメンズストアとしては最大規模。都内1号店の青山店と並ぶ旗艦店の位置付け。20年末の閉店以降は、ストラスブルゴが代理店を務める「キートン(KITON)」の売り場として運営するなどしていた。

オリジナル商品をテコ入れ 売り上げは全体の40%

復調をけん引するのは、21年春夏シーズンからテコ入れを進めるオリジナル商品だ。従来オリジナル商品は、華やかなドレス商材がそろう買い付けブランドを補完する役割を担い、ベーシックなアイテムを中心に企画していた。吉田久美子ストラスブルゴ ウィメンズMDは、「21年春夏シーズンから外部のデザイナーを迎え、海外のラグジュアリーブランドに引けを取らない素材とデザインで、国内最高峰の作り手とともに作る『ストラスブルゴ』らしい企画に方向性を転換した」という。型数は1.5倍程度に拡充した。

例えば24年秋冬シーズンに打ち出すのは、鮮やかなサックスブルーのコート(19万8000円)とシアーなシルクオーガンジー素材のボリュームのあるボウタイ付きブラウス(11万円)の合わせや、レトロな色調の花柄をプリントしたロングドレス(13万7500円)とキャメルのウールピーコート(18万7000円)など。吉田MDは「ドレスは仕入れブランドで、定番品はオリジナルで、と買い分けていたお客さまが横断的に購入してくださるようになった。加えて比較的年齢層の若い新規客も手を止めてくださっている」と手応えを語る。全体の10〜20%程度だったオリジナル商品の売り上げは、30〜40%に上がったという。

銀座店では、そんなオリジナル商品を前面に打ち出しつつ、「クロエ(CHLOE)」や「ロシャス(ROCHAS)」「アーデム(ERDEM)」「ヴィクトリア ベッカム(VICTORIA BECKHAM)」「ヘルノ(HERNO)」などのラグジュアリーブランドもそろえる。内装は明るい大理石やヘアラインゴールドを効果的に用いて、商品が映える空間を意識した。「これまでのウィメンズストアはメンズと同様に重厚感のあるイタリアンクラシコなムードだったが、今の『ストラスブルゴ』のウィメンズらしい内装とは何かを考え、透明感のある空間作りに初挑戦した」と吉田MD。

銀座ならではの立地を生かして、海外の富裕層顧客も狙う。中国ではECプラットフォームでライブ配信を行うライバーを経由した購買が富裕層から支持を得ていることから、ストラスブルゴは今年から在日中国人ライバーが所属する企業と提携し、富裕層向けのライブ配信をスタートした。銀座店でも同様の施策を実施する予定だという。

また、六本木店ではアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)による「ヴァレンティノ(VALENTINO)」の買い付けもスタートする。「この1、2年で『クロエ』や『ヴァレンティノ』など高価格帯ブランドを仕入れられる売り上げ基盤ができてきた。あらためてラグジュアリーセレクトとしての存在感を発揮したい」と意気込む。

元運営会社のリデアは20年11月に民事再生法の適用を申請。ワールド子会社の投資会社W&Dインベストメントデザインと八木通商による支援を受け、23年3月末にはワールドが100%子会社化した。現在ストラスブルゴの店舗数はメンズ6店舗、ウィメンズ7店舗。現在、一度撤退した地方商圏への再出発も検討中だという。

■ストラスブルゴ 銀座店
オープン日:10月18日
時間:11:00〜21:00
住所:東京都中央区銀座5-2-1 東急プラザ銀座 1階

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