ファッション

大阪・関西万博の日本館アテンダントユニホームは中田優也がデザイン 着物から着想

2025年に開催される大阪・関西万博の日本政府館(日本館)アテンダントのユニホームが発表された。デザインは、ファッションブランドの運営を軸に活動を広げているクリエイティブ・ディレクターの中田優也が手掛け、“日本の美意識を纏う(まとう)”をコンセプトに制作した。さらに、リサイクルしやすいモノマテリアル(単一素材)が採用されており、環境に配慮した工夫を施している。

日本館アテンダントのユニホームは、着心地、動きやすさ、暑さ対策などの機能性に加え、環境に配慮した素材の使用や会期終了後のリサイクルなど、総合的な視点で製作。日本の伝統衣装である「着物」の構造を元に、ユニホームを着用する日本館アテンダント自身が自由にスタイリングできる余白の概念を取り入れており、年齢や性別を問わず、多様なスタイルで着用できるよう設計されている。特に、ユニホームは着物のように帯状のベルトで自在にサイズを調整でき、各々の体に合わせてフィット感を調整することが可能だ。さらに、帽子やジャケット、パンツなどのアイテムは風呂敷でまとめて持ち運びができ、日本の文化が感じられる工夫が凝らされている。

日本館アテンダントユニホームは、植物由来のポリエステル繊維や、使用済みのペットボトルを原料としたリサイクル繊維など環境に配慮した素材を採用している。また、サステナブルな取り組みの一環として、リサイクルしやすい「モノマテリアル」を採用。従来の衣服は、綿やポリエステルなど異なる素材が使用され、ボタンやファスナーなどが付いているため、リサイクルの際にそれぞれを分別する必要があったが、モノマテリアルで設計された本ユニホームは、単一素材のためリサイクルの工程が簡略化され、環境への負荷を大幅に削減することができる。さらにユニホームは万博終了後に回収され、再商品化することを検討されている。

中田優也デザイナー

デザインを担当した中田優也は、1988年岐阜県出身、2009年渡仏。オンワード樫山にて「ベイジ(BEIGE,)」デ ザイナーとして勤務後、独立。17年、自身のブランド「ポステレガント(POSTELEGANT)」を開始。日本の着物のサイズフリーな要素と、パリで得た立体感覚を武器に、着心地と美しさを併せ持つコレクションを発表。デビュー2 年目に「TOKYO FASHION AWARD 2019」を受賞。ファッションブランドの運営を軸に活動し、素材開発からデザイン提案まで日本とフランスで培った立体感覚とパターンメイキングへの理解で実現して行く。23年5月現在、自身の運営する2ブランドを含め、5ブランドのディレクション、デザインを行う。また、アートディレクターとしてブランドや媒体のヴィジュアルディレクションも務める。

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