マッシュスタイルラボは25日、ニュージーランド発キッズ&ベビー服ブランド「ジェイミーケイ(JAMIE KAY)」の1号店を表参道ヒルズ地下2階にオープンする。
マッシュがジェイミーケイ社と日本における販売とライセンス契約を結び、本国商品の輸入販売とオリジナル商品の企画・販売を行う。グローバルではECのみで展開しながら年商は50億円以上に達しており、表参道はブランドとしては世界初の実店舗だ。数年内に8〜10店舗程度のリアル出店を計画する。
表参道の店舗は“おじいちゃんの書斎をリノベーションしたこども部屋”をイメージした、洗練されていながらノスタルジックな空間。天井や壁面はブランドのオリジナルプリント柄をあしらった。
綿素材の商品はプレミアムオーガニックコットンを100%使い、良質で飽きのこないデザイン。マッシュグループによる日本独自企画商品もMD全体の3割程度を占める。海外のキッズ&ベビー服ではあまりないコンビ肌着(6930円、25年2月発売予定)、日本の保育園では危険防止の観点で着用を避けられるフード部分を取り外せるジャケット(1万1000円)、女の子に人気のフリル付レギンスなど。エコファーを使ったベビーポンチョ(1万2100円)など季節感のある商品群も強化した。
ルームウエア、日常着、ヨガウエアも
「ジェイミーケイ」の両隣には、同社のルームウエアブランド「ジェラート ピケ(GELATO PIQUE)」と、24日新オープンのアパレルブランド「エミ(EMMI)」が店舗を構える。
左隣の「ジェラート ピケ」の広々とした店内には、大人用からベビー&キッズ用まで取り揃え、親子おそろいで楽しめるルームウエアや雑貨を提案する。店舗奥には、授乳やおむつ替え、離乳食の調理などができる館内唯一の専用ルームを用意するなど、ママへの配慮が行き届く。併設のカフェでは家族連れの利用客も多い。
一方、右隣の「エミ」は、撥水や防汚など機能素材を取り入れた日常着や強み。お出かけや外遊びまで、子育てママの味方になる。ヨガやピラティスに対応するアクティブウエアも取り揃える。
3ブランドを“ウエルネスラウンジ”として括り、キッズ&ベビー服から子育てママの日常着、さらにはアクティブウエアまで、ゆったりと見て回れる環境を作った。「ヘルシーなライフスタイル、ウエルネスの価値観に共感して頂けるママのお客さまに向けて、トータルプレゼンテーションできる場を作った」と近藤広幸マッシュホールディングス社長。表参道エリアに集まる高感度なママ層の取り込みに照準を定める。
子連れに優しい“場”が減っている
なぜ表参道ヒルズを攻めるのか。ベビーカーを引く家族連れは、商業施設のエスカレーターや混雑するエレベーターがストレスになる。その点、安藤忠雄建築で知られる同館は、緩やかな勾配のスロープを張り巡らせたユニークな構造で、これにより来館者はエスカレーターやエレベーターを使わずに回遊できる。
さらに表参道エリアは近年、子供服の「プチバトー(PETIT BATEAU)」の撤退、児童書のメッカ「クレヨンハウス」の移転などにより、「子連れで気軽に訪れたりわざわざ買い物できる店が減っていた」(マッシュ担当者)。
これを好機と捉えたマッシュ。ベビーカーを引きながら表参道に来た際には気軽に立ち寄れる、新たな買い物名所を作ろうと目論む。