PROFILE: メイベン/「デイズインシェル」ジュエリーデザイナー
「新しい『レトロ』を表現するには?」-表紙のアイデアを練っていたときにジュエリーブランド「デイズインシェル(DAYSINSHELL)」のデザイナー、メイベン(Mayben)に出会った。「エンジェルブルー(ANGEL BLUE)」や「メゾピアノ(MEZZO PIANO)」を着こなし、自らのブランド「デイズインシェル」の細密なハンドメイドジュエリーを身にまとうスタイルは、「レトロ」という言葉では捉えきれない唯一無二の魅力がある。そんな彼女に私服と自作のジュエリーでコーディネートを組んでもらい、「洋風だけど日本らしくて、違う世界に来たような感覚」という、メイベン行きつけの純喫茶「喫茶古城」で撮影を行なった。
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フランス人の父と日本人の母のもとに生まれたメイベンが日本に拠点を移したのは5年前のこと。「フランスの大学で考古学を学んでいましたが、ちょっと迷子になって」と語る彼女は、アーティスティックでありながらも気取りがなく親しみやすい。東京で専門学校に通い、モデルの仕事もしながらジュエリー制作を学んだ。平成の子ども服ブランドを夢中で集め始めたのはその頃だ。
「子どもの頃、母親が『エンジェルブルー』を買ってくれたんですが、フランスにはカラフルな子ども服を着ている子はおらず、目立ちたくないと拒んでしまいました」。今は日本の子ども服にしかないカラフルな色合いや、にぎやかな総柄が大好きだそうだ。その気持ちの変化は、日本にはいろんなファッションの人がおり、自分も好きな服を着ていいと思えたから。子どもの頃に着ていたわけではない「エンジェルブルー」には「新しさ」を感じるが、ずっと身近にあったからこその懐かしさもあるという。
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自身のブランド「デイズインシェル」では、深海生物や身の回りの動植物に着想した、有機的で緻密なハンドメイドジュエリーを製作する。ギリシャ神話にも影響を受けた幻想的な作品は注目を集め、XGの「SOMETHING AIN’T RIGHT」のミュージックビデオでも着用された。「今後は3Dプリンターと手仕事を組み合わせた作品にも挑戦したいですね」とはにかみながら語る。今後どんな世界を見せてくれるのか楽しみだ。
10月21日発売 「New Retro Economy 懐かしくて新しいレトロの形」
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