ストーリアが、ドラッグストア・バラエティーストア(以下、ドラバラ)向けの新ブランド「シンビメソッド(SHIMBI METHOD)」を立ち上げた。アゼライン酸やバクチオール、ナイアシンアミド、ビタミンCなど、それぞれの成分に特化した美容液を筆頭に、シートマスクや化粧水、クレンジング、洗顔料の全16種をそろえる。価格帯は330〜3520円。全国のマツモトキヨシグループやココカラファイングループ、トモズ、ドンキ・ホーテ、ロフトなどの一部店舗、アマゾンや楽天市場、公式ECなどで取り扱う。将来的に海外進出も視野に入れる。
同社によると、美容医療市場は「より身近な存在となりカジュアルになってきた」と分析。この背景から、スキンケア市場でメディカルコスメやドクターズコスメが台頭し、“成分特化”のコスメも増えているという。独自のアンケート調査においても、商品購入の決め手で価格の次に成分を重視する傾向が強いという結果が出た。
一方で「選ぶのが難しい」「他の成分と併用していいのか分からない」といった悩みを抱えている声も散見された。ブランド担当者は、「今は、1成分に特化した商品構成のブランドが多い。しかし、消費者は1成分につき1アイテムで満足していて、ラインで使わない人が大半だ」と話す。そこで、消費者ニーズに寄り添うブランドとして、支持の高い各成分をそれぞれ商品に落とし込んだアイテムをラインアップする。
主力の美容液は6種を用意。成分の配合率を商品名にしているのが特徴で、スポッツ美容液“ダーマセラム アゼライン酸 15%”(15mL、1980円)をはじめ、“ダーマセラム アゼライン酸5%”(30mL、1760円)、“ダーマセラム ビタミンC誘導体5%”(30mL、1760円)、“ダーマセラム ナイアシンアミド30%”(30mL、1980円)、“ダーマセラム バクチオール1%×レチノール誘導体”(15mL×2、3520円)に加え、“薬用ダブルホワイトニングセラムA”(30mL、1980円)を用意する。
化粧水は2種(120mL、各1760円)を用意。水を一切使わない「ボタニカルハーブの蒸留水」から生まれた化粧水“ダーマローション ハーブボタニカルウォーター92%”と水を一切使わず、水の代わりにシルクウォーターを83%配合した“ダーマローション シルクウォーター83%”を展開する。
洗顔料は、竹炭とクレイの力で毛穴ケアをする泡洗顔料“ダブル酵素洗顔フォーム”(120mL、1200円)の1アイテムを用意。ロフトの先行販売で「即完売した」という。メイク落とし“トリプルレイヤークレンジング”(150mL、1800円)は3層タイプで、クリアな肌に整える。
フェイスマスクは6種(各330円)を用意。共通でCICAエクソソーム(ツボクサ葉小胞)を配合。レチノール、アゼライン酸、ビタミンC、ナイアシンアミド、ティーツリー、セラミドの6成分別に配合する。
“成分迷子”をサポート
「シンビメソッド」は、「クリニック品質をお家で毎日体感できるように」という思いで誕生した。ブランド名は「審美眼を持って選ぶ」「真の美しさを求める」から由来する“シンビ”と“メソッド”を掛け合わせた。コアターゲットは20〜40代の女性で、手に取りやすい価格帯にもこだわった。「毎日のスキンケアに取り入れやすく、気兼ねなく使い続けられるような価格設定にした」。
店頭の棚は、ブランドの世界観を「しっかり伝えられる」広さを確保。棚には、NFC機能ツール「momenTouch」を使い、美容メディア「ヴォーチェ(VOCE)」のコンテンツ「美容成分辞典」と連動して、スマートフォンで成分情報を確認できる仕組みを導入した。「『成分がわからない』という“穴”を埋められるようにしたかった」と、機会ロスを防ぐ。
菱谷圭吾ストーリア社長は、「お客さまの肌悩みを解決することがブランドの存在理由だ」と強調する。初年度は店頭でブランドの世界観を十分に伝えられるパートナーと組み、日本市場での確固たる基盤を築く考えだ。「日本の化粧品の基礎技術は世界で注目されている。『シンビメソッド』は日本の基礎技術の伝統に敬意を払いながら、イノベーションを起こし、“成分美容”を世界中に広げていきたい」と青写真を描く。