ファッションPR業界が大きく変わり始めている。かつてはブランド専任のPRと大手アタッシェ・ドゥ・プレスが中心だったが、コロナ禍以降はそれぞれの組織から独立したフリーランスPRが激増した。その変化を最も象徴しているのは、ファッション・ウイークのショー会場だろう。2017年に東京で開催した「ダブレット(DOUBLET)」初のランウエイショーでは、同ブランドのPRを担当しているスタジオ ファブワークの人手が足りず、他のショールームやフリーランスPRとの連合軍でアテンドに臨んだ。ショールームやフリーランスの垣根を越えた連携は当時新しかったものの、同様のケースは徐々に増えていき、現在は個人や小規模のショールームが連携し、適材適所のアテンドチーム作りが東京のファッション・ウイークの主流となっている。(この記事は「WWDJAPAN」2024年10月28日号からの抜粋です)
個人PRはさまざまな現場に
PR同士が連携していくシナジー効果はショー会場のアテンドにとどまらず、大小さまざまなプロジェクトにも及んでいる。その背景には、PRの仕事の多様化がある。従来の情報発信に加えて、デジタルの普及によるSNSへのリテラシーや、コロナ以降増え続けるイベントでのキャスティング力、それらを包括するプロジェクトの企画力や進行管理など、企業やブランドが求める“PR”の定義は拡張し続けている。そのため、プロジェクトにおいても適材適所の人員配置が進み、専門性に秀でたPRスタッフがチームに加わることも増えている。細分化するPRの仕事を担う、フリーランスPRの需要も以前に比べて高まっていると言えるだろう。
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