ファッション

第4話:膨らみかけた、「ケイタマルヤマ」バブル 【丸⼭敬太の “⼭あり⾕あり”な30年】

有料会員限定記事

「ケイタマルヤマ(KEITAMARUYAMA)」は1994年に誕生し、今年で30周年。丸山敬太デザイナーは動植物で飾ったテキスタイルや、和洋中の要素を融合したデザインで、“晴れの日に着る洋服”を作ってきた。しかし多幸感溢れる表現の陰では、幾度の困難も克服してきた。酸いも甘いも知りながら、それでもなお「楽しいことを生み出したい」とする彼の人生譚とは。

ブランドの売り上げが、ちょうど面白いように伸びていた時期だったのだ。「今こそいろいろな分野に投資するタイミングだ」と息巻いていた僕は、ウィメンズだけじゃなくメンズラインにもさらに力を入れたかったし、コレクションももっと盛大に発表したかった。なのにパートナーは「地道に実績を積み上げよう」と言う。ジレンマだった。僕らの話し合いは決裂し、K2Mインターナショナルは終了することになった。今なら、あの時の彼の考えがよく分かる。

世はSPAブームの真っただ中。「組曲」「インディヴィ」「エポカ」など、幾らでも例を挙げられるくらいに、アパレル企業がこぞって自社ブランドを立ち上げ、才能あるデザイナーはディレクターとして引き抜かれていた。そんなオファーが僕にも幾つか届き、中でも熱意を感じたのがワールドだった。僕のやりたいことをよく理解してくれ、なおかつグローバルビジネスに前向きな会社。理想的だった。元パートナーが自身の株式を全て譲渡する形で、僕はワールドと合弁会社ノーリッジインターナショナルを立ち上げた。

この続きを読むには…
残り588⽂字, 画像2枚
この記事は、有料会員限定記事です。
紙版を定期購読中の方も閲覧することができます。
定期購読についてはこちらからご確認ください。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

リーダーたちに聞く「最強のファッション ✕ DX」

「WWDJAPAN」11月18日号の特集は、毎年恒例の「DX特集」です。今回はDXの先進企業&キーパーソンたちに「リテール」「サプライチェーン」「AI」そして「中国」の4つのテーマで迫ります。「シーイン」「TEMU」などメガ越境EC企業の台頭する一方、1992年には世界一だった日本企業の競争力は直近では38位にまで後退。その理由は生産性の低さです。DXは多くの日本企業の経営者にとって待ったなしの課…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。