ビューティ賢者が
最新の業界ニュースを斬る
ビューティ・インサイトは、「WWDJAPAN.com」のニュースを起点に識者が業界の展望を語る。今週は、美容師の成り手減少に関する話。(この記事は「WWDJAPAN」2024年10月28日号からの抜粋です)
PROFILE: 渡邉弘幸/ウカ代表取締役CEO
【賢者が選んだ注目ニュース】
齋藤薫氏が理事を務め、日本を象徴するラグジュアリーブランドを選出する「ジャクシュアリィー」に「ウカ」は選出されている。先だって慶應義塾大学で選出理由をプレゼンするトークセッションが行われ、その際に齋藤氏は「『ウカ』は美容室とコスメメーカーの架け橋として唯一無二」と評してくださり、美容室業界にも目を向けてくれていることを感じていた。ゆえに美容室の倒産急増から髪事情の変化を取り上げたコラムは大変興味深かった。もちろん齋藤氏の視点はいつも気になっているのだが。
齋藤氏はヘアカラーのセルフ化が進んでいることや、シャンプーを減らす新たな習慣によって、美容室離れが生じているのでは、という仮説を立てている。「なるほど。その視点もあるのか」と思った。そこで「ウカ」の商況を見てみると、ヘナカラーを含むカラーの施術件数は増えており、夏にリニューアルしたヘアケア「リジェネラティブグッド」シリーズの売れ行きも好調だ。ということは、単に髪の毛を切る・染めるというだけでなく、頭皮も毛髪も健やかに回復させたいというニーズに対応できるソリューションを持つ美容室が世間から求められているということだろう。
僕が理事を務めるアジアビューティアカデミーという社団法人では、全国のラグジュアリーサロンと各地域に貢献してきた美容室を集めて、ジャパンヘアという冠をつけ技術の向上を目指して日々交流している。髪の毛にまつわる技術を磨き続けている美容師が存在すれば、美容室=“きれいになる場”という機能は決して衰えず、必要とされるのだ。つまりは美容室がお客さまにどう向き合って取り組むかが重要なのだ。
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