百貨店大手4社の10月の売上高(既存店ベース)は、引き続き全社が増収だった。ただ東京も大阪も月間の大半が夏日という残暑の長引きで、秋冬物の衣料品の動きが鈍ったため、伸び率はやや鈍化した。訪日客による免税売上高は高い伸び率を確保した。
三越伊勢丹が前年同月比4.5%増、高島屋が同3.0%増、大丸松坂屋百貨店が同2.3%増、阪急阪神百貨店が同5.1%増だった。訪日客によるラグジュアリーブランドや時計・宝飾品の消費が活発な都心店は好調だが、その恩恵が及ばない郊外・地方店は残暑による衣料品不振で前年割れになるケースが目立つ。国内客に限れば、大丸松坂屋も高島屋も前年の実績を割った。
中国人客が増加していることに加えて、前年に比べて国慶節が後ろ倒しになったため、訪日客の客数は大幅に増えた。免税売上高は大丸松坂屋で同27.8%増(客数は同45.1%増、客単価は同13.6%減)、高島屋で同35.1%増だった。