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タペストリーのカプリ買収が仮差し止め 今後は独禁法が米ファッション業界に影響?

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米連邦地方裁判所は10月24日(現地時間)、タペストリー(TAPESTRY)によるカプリ ホールディングス(CAPRI HOLDINGS以下、カプリ)の買収停止の仮処分を求めた米連邦取引委員会(FTC)の申し立てを認める判決を下した。これによって2社の合併は事実上、暗礁に乗り上げたことになるが、ファッション業界や法曹界ではこの決定を驚きをもって受け止めた向きが強い。ここでは、これまでの経緯や両社の今後に関する専門家らの意見をまとめた。(この記事は「WWDJAPAN」2024年11月4日号からの抜粋です)

コーチ(COACH)」「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)」「スチュアート・ワイツマン(STUART WEITZMAN)」を傘下に持つタペストリーは2023年8月、「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」「ヴェルサーチェ(VERSACE)」「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」を擁するカプリを85億ドル(約1兆3000億円)で買収することに合意。24年末までに取引が完了する予定だったが、両社が保有するブランド間の競争がなくなることで独占状態になるとし、FTCは本件を停止する仮処分を求めて4月に提訴した。9月9日に開廷した裁判では、“アクセシブル・ラグジュアリー(Accessible luxury)”市場の定義やその独占に関する懸念が大きな争点となり、ジョアン・クレヴォイセラ(Joanne Crevoiserat)=タペストリー最高経営責任者(CEO)やジョン・アイドル(John Idol)=カプリ会長兼CEOらをはじめとする多くの関係者が出廷し、それぞれの立場から意見を述べた。

今回の判決により、両社の株価も大きな影響を受けた。カプリの株価は10月25日、前日比48.9%安の21.26ドル(約3252円)と急落。タペストリーは1株57ドル(約8721円)での買収を提案していたが、この数字から大きくかけ離れることとなった。一方、タペストリーの株価は上昇し、同13.5%高の50.49ドル(約7725円)をつけた。市場は、業績低迷が続く「マイケル・コース」をタペストリーが引き受けずに済んだことを好材料の一つと見なしたようだ。

弁護士らも驚きの判決 タペストリーは上告の意思を表明

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