スニーカーショップの「アトモス(ATMOS)」は10月末、原宿店をリニューアルオープンした。2000年に、当時“裏原宿”と呼ばれたエリアに開業した店舗が「アトモス」の1号店。来年25周年を迎えるのを前に、今回のリニューアルではオリジナル店舗をオマージュした内装に仕上げた。年内に、広島、京都の店舗もリニューアル予定といい、「この1〜2年で既存全店のリニューアルを進めている」と、小島奉文アトモス クリエイティブ・ディレクターは話す。
原宿店は1フロアで、売り場面積は約66平方メートル。オリジナル店舗が壁に55個のボックスを設けて、スニーカーをアートのように展示していたことに着想し、リニューアルで両サイドの壁に165個のボックスを設けた。限定品を含め、「ナイキ(NIKE)」「アディダス(ADIDAS)」「サロモン(SALOMON)」「アシックス(ASICS)」「ニューバランス(NEW BALANCE)」などのスニーカーが並ぶ。
店舗中央のラックにはオリジナルを含むアパレルアイテムも陳列。店舗名のロゴをプリントしたオリジナルTシャツ(5500円)は、「ECで販売していないため、ショップを訪れた際のお土産感覚でよく売れている」。
「購入体験の向上目指す」
9月13〜16日に、「アトモス」が「アディダス」と組んで原宿のキャットストリートで行ったイベント「アディダス コン バイ アトモス」は「累計で1万人以上の来場があった」という。「コロナが明けて、お客さまは(ECなどで単に商品を買うというのではなく)購入体験を強く求めるようになっている。それに合わせ、店舗の見直しを進めている」。例えば、年内にリニューアル予定の京都店では、京都ならではの素材を内装に取り入れる。店舗ごとに異なるストアコンセプトを導入し、訪日客を含め、東京、大阪、京都などと複数店舗を訪れてもそれぞれ楽しめるようにする。現在の国内店舗数はメンズ業態が21、ウィメンズ業態が7。
原宿店の客層は現在、韓国、中国、タイ、フィリピンなどを中心に約4割を訪日客が占めるという。現在、「アトモス」として東南アジアに11店舗を構えており、「12店舗目の出店も計画中。日本から世界を目指す」と小島ディレクター。アトモスは21年に米フットロッカーに買収され、フットロッカー アトモス ジャパンとなった。「アトモス」として北米に出店していた店舗やECは昨年閉鎖済みで、日本と東南アジア地域をアトモスが担い、フットロッカーとグローバルですみ分けていくという。