専門店チェーン、セレクトショップの2024年10月度業績(既存店ベース)は、異例の暑さにより苦戦したとの声が目立つ。昨年10月も残暑で低調だった企業は多く、今後は「10月は夏本番」といった認識でのブランド運営が業界内にいよいよ定着していきそうだ。
国内ユニクロ売上高は前年同月比7.5%減と7カ月ぶりの前年割れ。昨年10月も同8.5%減だった。「残暑はある程度予想し商品構成を組んでいたが、それを上回る暑さだった」と広報担当者。売れ筋はメンズが“エアリズムコットン”のロングスリーブTシャツ、スーパーノンアイロンシャツ、「UT」、ウルトラストレッチボトムス、“エアリズム”インナーなど。ウィメンズはスエット、ブラトップ、チノパン、“エアリズム”インナー、ブラッシュドジャージーパンツなどといったように、秋冬向けの“ヒートテック”ではなく“エアリズム”が売れ続けている。25日に開業した「ユニクロ 新宿本店」は、「エリア内の既存店のパイを奪うこともなく、非常に好調」という。
しまむらの「ファッションセンターしまむら」(9月21日〜10月20日集計)は同3.7%減。「残暑により冬物のアウター衣料や実用品が低調。一方(中略)通季の肌着やスニーカー、パンプスは売り上げを伸ばした」(発表資料から)。昨年10月も1.4%減だった。
良品計画の「無印良品」は同18.6%増と大幅伸長した。スキンケアアイテムなどが引き続き好調な生活雑貨や食品がけん引しており、衣服・雑貨に限ると同1.7%増。10月25日〜11月4日に開催した会員セールの“無印良品週間”(昨年は10月27日〜11月6日の開催)による押し上げ効果も大きい。昨年10月は同12.9%増だった。
アダストリアは同6.3%減だった。暑さに加え、会員向けポイント還元キャンペーン(10月30日〜11月11日)の開催期間が、昨年の期間(10月25日〜11月6日)と数日ずれたことも押し下げ要因となった。一方で、「気温に左右されない生活雑貨は堅調に推移した」(発表資料から)。昨年10月は同5.0%増だった。
ユナイテッドアローズは同9.1%増と気を吐いている。「高気温が続いたものの、シャツ、カットソー、ジャケット、パンツ、ワンピースなどの秋物衣料やシューズ、バッグなどの動きが強」(発表資料から)く、年初来10カ月連続での前年超えとなった。昨年10月は同0.1%減だった。