阪急阪神百貨店は、インバウンド(訪日客)による2025年3月期の免税売上高の予想を1260億円に上方修正した。期初予想は1000億円だった。中国からの訪日客が急回復しており、上期(4〜9月期)で既に693億円に達した。夏以降はやや円高に振れたため落ち着きを見せているものの、「大きな外的要因がなければ、1260億円の予想はクリアできる」(山口俊比古社長)と読む。
6日に開催した親会社エイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)の24年4〜9月期(上期)決算説明会で発表した。百貨店事業の総額売上高は、前年同期比17.7%増の3050億円だった。国内客による売上高が3.2%増であるのに対して、訪日客による免税売上高は約400億円も上乗せされた。免税売上高693億円のうち阪急本店(阪急うめだ本店、阪急メンズ大阪)が559億円を占める。
H2Oの荒木直也社長は「海外のお客さまを(一見客としてではなく)国内のお客さまと同じように識別化し、リピーターになっていただく。特に海外の富裕層に注力する」と話した。すでに海外の顧客(カード会員など)は3万人弱に達しており、阪急阪神百貨店では対応する専属チームのメンバーを50人に増やす考えだ。
上期の好業績を受けて、百貨店事業の通期予想を上方修正した。修正後は総額売上高6285億円(修正前は6267億円)、営業利益261億円(同255億円)を見込む。阪急本店の売上高予想も上方修正して3588億円(同3447億円)とした。