大丸松坂屋百貨店は、年内で営業を終了して建て替え工事に入る大丸心斎橋店本館(大阪)の概要を発表した。2019年秋に誕生する新本館は、高さ約60メートル(現本館40メートル)、地下3階・地上11階に約4万平方メートル(同地下2階・地上8階、3万1000平方メートル)の売り場を設ける。本館は建築家ウィリアム・ヴォーリズの代表作として保存を求める声が多いため、御堂筋側の外壁を残し、新築される高層部はセットバックさせ、景観との調和を図る。内装も再活用できる部分を抽出し、1階を中心に活用する予定。新本館の建築に約380億円の投資を見込む。
同社は、大丸心斎橋店の新本館を国内だけでなく海外の客も満足させる本格的百貨店と位置付ける。一方、隣接する北館は大型専門店や有力ブランドを誘致し、新たな客層を呼び込むとともに、賃料収入で安定的な収益を得る。北館はもともとそごう心斎橋店(09年にJ.フロント リテイリングが土地・建物を取得)として建設されたため、本館と接続していないが、建て替え後は連絡橋を設け、回遊性を高める。