TSIホールディングスの中核会社であるTSIは、ウィメンズブランド「ローズバッド(ROSE BUD)」の事業をビーズインターナショナル(東京都、西方雄作社長)に来年2月1日付で譲渡する。譲渡価格は非公開。
「ローズバッド」は1993年に渋谷の明治通りに1号店をオープン。当時としては珍しい、個性的な買い付け商品を武器にするセレクトショップとして名を馳せた。ただ競合激化による集客力の低下により、仕入れ主体のビジネスモデルが構造的に利益を生み出しづらくなったことに加え、コロナ禍が打撃となった。店舗数はコロナ前の30から12(24年2月期末)まで縮小。19年にはシンボルだった渋谷本店を閉店した。15年2月に108億円に達した売上高は、22年2月期には34億円まで落ち込んでいた。
近年はTSIグループにおける「デジタルジェネレーション領域」に事業を移管し、SNSマーケティングやトレンド・需要予測などのノウハウを取り込んで再生を図り、「ブランドの中身自体は良化傾向だった」(同社広報)という。ただTSIホールディングスの24年3〜8月期連結業績が7億9100万円の最終赤字となるなど浮上が急がれる中、「投資の選択と集中を念頭に置いた上で(『ローズバッド』の)事業譲渡を決めた」としている。
譲渡先のビーズインターナショナルは「エクストララージ(XLARGE®︎)」「エックスガール(XGIRL)」「ミルクフェド(MILKFED.)」などストリート・カジュアルブランドを主力に、アートやライフスタイルグッズなども広く手掛ける。同社の企業風土が「ローズバッド」との親和性が高く、シナジーも見込めることから合意に至った。
なお、今回の事業譲渡によるTSIホールディングスの25年2月期通期決算に与える影響は「軽微」であり、すでに発表している業績予想には織り込み済みであるとしている。