ABEMAで現在放送中のドラマシリーズ「インフォーマ -闇を生きる獣たち-」は、作家・沖田臥竜によるクライムノベル「INFORMAⅡ -Hit and Away-」が原作だ。昨年1月に放送された「インフォーマ」に続く新シリーズとなる。本作品では、タイと東京を舞台に、桐谷健太演じる情報屋=通称“インフォーマ”の木原慶次郎と、佐野玲於演じるゴシップ週刊誌「週刊タイムズ」の記者・三島寛治を中心に巻き起こる情報戦を描く。
前作に続き、森田剛や一ノ瀬ワタルら実力派俳優が出演するほか、今作では新たに二宮和也や莉子ら個性豊かなキャストがラインアップ。そして木原、三島コンビと対峙するのは、池内博之扮する鬼塚拓真を筆頭に、忠実な部下・二階堂と優吉で構成される“偽インフォーマ”だ。悪の組織としてアクションを繰り広げ、存在感を示したSUMIREと兵頭功海に、本作品の見どころと、過酷な撮影を共にしたキャストや制作陣への思いを聞いた。
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SUMIRE×兵頭功海
ドラマ「インフォーマ -闇を生きる獣たち-」
インタビュー
WWD:それぞれ悪の組織の一員として、どのような心持ちで撮影に望んだ?
SUMIRE:前作を観た時に、出演者全員が光るかっこいい作品だと感じました。まさか次のシーズンに参加できると思っていなかったので、とても嬉しかったです。その一方で「どうにかやり切らなきゃ」と自分に圧をかけました。
兵頭功海(以下、兵頭):僕もリアルタイムで前作を観ていたので、オファーをいただいてとても嬉しかったです。前作に続き、今回僕たちが演じた悪の組織も3人組。同じ3人組の悪役でも、前作とは違うダークさを表現したいと思い、試行錯誤しました。
SUMIRE:兵頭さんとはこの作品を通じて初めて出会ったので、最初は「どんな人だろう」と探り探り。タイに行く便が一緒で、現地についた時にやっとお話しできました。共通の友達もいて、とても親しみやすくて安心しました。
兵頭:僕は海外渡航にあまり慣れていないので、空港のチェックアウトやWi-fiの接続に手こずってしまったのですが、SUMIREさんに色々教えてもらいました。撮影中もフラットに話せる、心強い仲間でした。
WWD:“偽インフォーマ”3人、現地ではどのように過ごしましたか?
兵頭:現地で少し時間ができて、池内さんと僕達3人で食事に行くことになったんです。僕達は何となく日本料理を食べに行こうとしてたのですが、池内さんが「せっかく来たんだから!」とホテルから少し歩いた屋台に連れて行ってくれることに。本場のタイ料理に少し圧倒されながらも「ここでしか食べられない」と思い楽しみました。その後池内さんがバーに連れて行ってくれて、少しお酒も飲んだり。まだタイに着いて数日なのに、池内さんはもうボトルキープまでしているんです(笑)。
SUMIRE:池内さんは、作中は怖い役柄ですが、普段は本当に優しくて可愛らしい人。プライベートも含めてすごくバランスが良い3人で、今回ご一緒できてうれしかったです。
WWD:タイでの1カ月の撮影はどのように進んだ?
兵頭:とても過酷でした。毎日のようにスコールが降るのですが、濡れた地面もすぐに乾いてしまうほど暑いんです。気温が40度ぐらいあり、ずっとスチームサウナの中にいるような状態。スタッフ全員の支えがあってこその撮影期間でした。
SUMIRE:私達役者が倒れてしまったらどうにもならないということもあるとは思いますが、本当にその場にいた全員が助け合っていたと思います。「これはみんなで作り上げるものなんだ」と強く感じた1カ月でした。
兵頭:帰国して日本パートの撮影をしている時も、タイでの過酷な撮影を経験したメンバーの結束力は強かったと思います。今でもスタッフ同士で集まることもあるんですよ。
WWD:灼熱のタイで行われた過酷な撮影、特に記憶に残るシーンは?
SUMIRE:やっぱりアクションシーンは難しかったです。特に序盤の屋上のシーンでは、2人を相手にアクションをしていたので、動き方にも工夫が必要でした。映像で観ると自分で思っているよりも動けていなかったり。でも私、ちょっと負けず嫌いなところがあるので、できないのが悔しくて…撮影中は優吉をはじめ他の人のアクションも見ることができので、すごく勉強になりました。
兵頭:アクションシーンは現地で少し合わせて撮影に臨んだのですが、暑い中動き続けるのはやっぱり大変。特にSUMIREさんはあの暑い中、レザージャケットを着て動き続けていたから大変だったと思います。僕はバイクに乗っているシーンがあるんですが、どうやって落ちないようにするか必死でした。バッグを持ちながら片手でバイクに捕まっていたので結構怖くて。カーブは本当にヒヤヒヤしましたね。
WWD:SUMIREさんは二階堂、兵頭さんは優吉。脚本からそれぞれの役柄をどのように読み解き、演じましたか?
兵頭:今回、最終的に仲間を裏切る役柄なのですが、その背景にある優吉の人柄ってどんなものなのかーー作品を読んだ時に、優吉の行動の色々な部分から弱さを感じました。だけど、全身黒の衣装で、ピストルを持って、ロン毛でタトゥーも入っているとなると、僕は体格も大きいしどうしても強そうなイメージになってしまう。内側から滲み出る弱さを、演技や声色でどう表現するかが課題でした。弱い相手には強気に出るのに、強い相手に対しては声が上ずったり…相手によって態度を変えてしまうのは弱い人がやることだと思うので、この役を演じる時に自分は弱い人間だというマインドセットで臨みました。
SUMIRE:私が演じたのは、言葉を発することができない心因性失声症をもつ二階堂。話すことはできなくても仕事ができて、リーダーの鬼塚にすごく忠実。犬みたいに目で見て状況を素早く汲み取り、的確に動くというイメージを持って演じました。言葉を話せない役柄は過去に演じたことがありましたが、心因性失声症の役を演じたのは今回が初めて。実際にそういう人達がどんなふうに過ごしているのかを調べて、たくさんの動画を観ました。二階堂は言葉を話せなくても、感情と共に声を出すことはできる。実際に怪我をしたり、悲しい表現をするシーンでは声を出すのですが、通常喋れない役だからこそ声を出すタイミングがすごく難しい。でも逆に、喋れないからこそ伝えられるものが大きかったりもするんだと思います。
WWD:本作にはどのようなメッセージが込められていると感じる?
兵頭:ドラマの世界だけではなく、誰かにとって都合が悪い情報が世の中に発信されそうになった時、それを消そうとするようにさまざまな話題が流されていることって、実際にあるのだと思います。多くの人が表面的な情報を信じてしまう中で、鋭い視点を持ってほしいというのがこの作品が伝えたいことなんじゃないかな、と感じました。
SUMIRE:私自身、あまり追いつけていない部分もあるんですが、今ってSNSがメインのような時代じゃないですか。本当は真実ではないとしても、SNSで発信されていることをそのまま信じてしまう人もいるかもしれないーー自分で考えて答えを持つことが減って、だんだんと自分の意見がなくなっている世の中になってしまっているように思います。この作品には、「自分自身を大切にすることで、より良い道が開ける」ということに気づいてもらいたいという意図があるのかもしれない。私もこの作品を通じて、自分の軸を大切にしていきたいと改めて感じました。
WWD:若くして活躍するお二人。今後俳優として挑戦したいことは?
SUMIRE:以前からアクションに挑戦したいという気持ちがあったのですが、今回の作品を通じて、もっと極めたいという気持ちになりました。映画を観ていても、アクションのシーンに一瞬で引き込まれてしまいます。そうやって私も、観る人を魅了できるようになりたいですね。
兵頭:楽しい作品だけではなく、悲しくなってしまうような作品も好きなので、切ない純愛ストーリーにもチャレンジしてみたいですね。そして最近「今の年齢だからこそできる演技、残せる作品があるんじゃないか」と考えるようになりました。自分の変化や成長と共に役柄にもいい影響をもたらせたらいいなと思います。
2人が制作スタッフに贈るメッセージ
撮影期間や作品に込めた想いを聞かせてくれたSUMIREと兵頭。最後に、長い撮影期間を共にしたキャストや制作スタッフに向けたエピソードを、ホリデーに向け贈りたいギフトを添えて聞かせてくれた。
From SUMIRE
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From 兵頭功海
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PHOTOS:KENJI OTSUKA