ニューヨーク発のビジュアルマガジン「ヴィジョネア」が6月21日、30周年を迎えた「Gショック」と共同で制作・出版した63号「VISIONAIRE Partners with G-SHOCK VISIONAIRE 63 FOREVER(以下、ヴィジョネア #63)」の刊行を記念し、ドーバー ストリート マーケット ギンザ・コム デ ギャルソンでプレスプレビューを開催した。来場した関係者に同号の先行販売を行ったほか、バックナンバーを展示・販売。ハンドキャリーしたという貴重なゴールドプレート版一冊を1階フロアで国内初公開した。世界限定1500部のメタル版の価格は、3万4620円。純24金を使用した世界限定150部のゴールド版は、15万1200円。共にブラックの手袋が付属している。
カシオの「Gショック」と共同出版した「ヴィジョネア #63」のテーマは、"絶対に壊れない時計"という強みからインスパイアされた「フォーエバー=永遠」。10人のアーティストが参画した10ページ構成で、「タフネス」「時間を刻み続ける永遠性」を掲げる同社との取り組みから、全てにメタル素材を使用した「ヴィジョネア」が生まれた。同号について、フォトグラファーのスティーヴン・ガン、ヘア・メイキャップアーティストのジェームス・カリアルドスと共に「ヴィジョネア」を設立したセシリア・ディーンに聞いた。
【インタビュー:上】
化学薬品のエッチングで仕上げた最新号「ヴィジョネア #63」の制作期間は、約1年。セシリアは、「全10ページの仕上がりはシンプルに見えるけれど、1枚1枚にさまざまなテクニックが使われたこだわりの一冊よ」と話す。カバーに使用されたケイト・モスのポートレイトは、フォトグラファーのマリオ・テスティーノによるもの。「ケイトは世界的にアイコニックで、彼女のポートレート自体が『フォーエバー』。特にマリオには、この作品をセレクトしてほしいとお願いしたの。カール・ラガーフェルドのページは、(人間にとって)永遠性のあるヌードを型押しのテクニック、メタルワークで表すということがユニークなところ。パワフルなものになると想像できたから『フォーエバー』でつくるページの中にヌードや動物の作品を入れることは最初から思い描いていたわ」。
また、ページに自分の姿を映し、ここに書かれたメッセージをつぶやくことで完成するというインタラクティブな作品は、鏡を用いた作品が多いオノ・ヨーコ。「grow love with me.」とメッセージが書かれただけのシンプルなページが、他と差別化されていて目を惹く。
「ルイ・ヴィトン」のテレビCMを手掛けるなど、幅広く活躍するフォトグラファーとディレクターデュオのイネス&ヴィノードは、セシリアが「彼女は永遠のアイコン」とするレディ・ガガのポートレイトをセレクト。ギルバート&ジョージが手掛けたページでは、イギリス硬貨にもなっているエリザベス女王の肖像をデザインした。永遠性がある「お金」を用いた同作については、「少し哲学的でもあるが、これには色々な意味があると感じています。アイコニックなエリザベス女王の描かれたメタルコインの写真を撮って、それをまた加工してメタルに戻すということがユニーク。人のお金の使い道はそれぞれ違いストーリーがあるし、『お金』自体に永遠性があるという点に面白みを感じた」。
「スカル好き」というフォトグラファーのクレイグ・マクディーンは、目に花、ぶどうのツタが全体に巻き付いたスカルをデザインしたページを制作。"スカルは祖先との対話の仲介者"と捉えているある地域を着想源に、「フォーエバー」を表現した。そのほか、スティーブン・クラインや、ソルヴァ・スンツボ、リチャード・アヴェドンら、名だたるアーティストが参画している。
「そして、今ここでお話していることは、私がそれぞれの作品に感じたことで、アーティストの意図を指した内容ではありません。一人一人見る部分が違うし、感じるところが違う。『ヴィジョネア』では、それぞれのストーリーを見つけてほしい。メタルでできたこの本が単純にクールだというこてでもいいと思うわ」とセシリア。「ヴィジョネア」創設時のエピソードや、彼女が今後コラボレーションしたいと思うパートナーについては、次回記事【インタビュー:下】で探る。
?
■ 「ヴィジョネア」展示・販売
日時:本日?7月17日まで
会場:ドーバー ストリート マーケット ギンザ・コム デ ギャルソン 1F&6F
東京都中央区銀座6-9-5
日曜?木曜 AM11:00~PM21:00
TEL:03-6228-5080
?