自主出版本のムーブメントが熱い。文学作品の展示即売会「文学フリマ」は年々規模を拡大し続け、今年は東京ビッグサイトでの初開催に臨む。オリジナル漫画の即売会「コミティア」は過去最高の約6900組が出展し、アジア最大のアートブックフェア「東京アートブックフェア」は有料でありながら2万人以上の来場を記録するなど、市民の紙メディアへの創作意欲と購買意欲は衰えを知らない。この熱狂はどこから生まれているのか?人と人の触れ合いが制限されたコロナ禍を経たことで、再び盛り上がる自主出版本やZINE(ジン)の現在地を、フェアの主催者や作り手、売り手から探る。(この記事は「WWDJAPAN」2024年11月25日号からの抜粋です)
文学フリマ
ビッグサイトへ規模拡大
「文学」が集まる即売会
「文学フリマ」は、出店者が「〈文学〉と信じるもの」を自らの手で販売する文学作品の展示即売会。小説や物語、詩歌、ノンフィクションなどを幅広く扱う。2002年の初開催以降、来場者数を順調に伸ばし、5月に開催した東京会場では出店者と来場者が合計1万2000人に達した。12月には会場を東京流通センターから東京ビッグサイトへと拡大する。望月倫彦・文学フリマ事務局代表理事は、「活字離れといわれて半世紀以上たつが、SNSやブログの普及により、自分の書いた文章を世間に発表する人の数は現代が一番多い。良き書き手は、良き読み手でもある。『文学フリマ』では、創作者や出店者の数が先に増え、続いて来場者が増える流れがある」と話す。
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