石川県の洋食器メーカー、ニッコー(NIKKO)が運営するジェネラルストア「ロストアンドファウンド(LOST AND FOUND)」はこのほど、東京・富ヶ谷の旗艦店オープン3周年を記念し、日本を代表するデザイナー柳宗理と會田雄亮による復刻アイテムを発売した。同店では12月27日まで、創業116年のニッコーの歴史をひもとく企画展示「NIKKOの歩みとこれから」を開催している。
ニッコーは2021年に、「ロストアンドファウンド」をオープンした。確かな技術に基づいて長い間作り続けられてきたのに、世の中に溢れた多くのものに紛れてしまったり、今も通用するのに時代の流れに埋もれてしまったりした良いものが見つかる場所として、約3年間で1584種のアイテムを紹介してきた。ニッコーが作る洋食器も取り扱っており、店舗オープン3周年のタイミングで改めてコンセプトに立ち戻り、「良いものは未来につなげていきたい」という思いの下、復刻アイテムの発売と企画展示の開催に至った。
柳宗理
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ニッコーの数あるアーカイブの中でも当時話題となった人気アイテムを、ボーンチャイナでアップデートして復刻する。“KIKYOシリーズ”(全6品、3080円〜1万560円)は、戦後間もない1948年頃にインダストリアルデザイナーの柳宗理がデザインした、同氏にとっては珍しい絵付きのテーブルウエアだ。また初期の代表作“松村硬質陶器N型シリーズ”は、戦後のグッドデザイン運動(商品の品質向上を目指すとともに近代的な生活を実現しようという運動)の隆盛にのって広く流通した。その後廃盤となっていたが、ニッコーの下でボーンチャイナに素材を変えてリ・デザインされ、90年に復刻。このたび、同シリーズからプラター(32cm、9350円)とサラダボウル(13cm、2200円/23cm、6380円)が追加復刻を果たす。
會田雄亮
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今回復刻した“オーバルホワイトシリーズ”(全11品、2090円〜1万1000円)は陶芸家の會田雄亮によって60〜70年頃にデザインされ、日本硬質陶器(現ニッコー)が2013年頃まで硬質陶器素材で製造していた。デザインが暮らしの中で華やかに取り入れられたミッドセンチュリー期を象徴する伸びやかな造形が特徴。會田は陶芸作品から環境造形など、自然との調和を大切にする創作活動を続け、国内外で技術と作品の完成度を評価されてきた。
企画展示「NIKKOの歩みとこれから」では、1908年に創業したニッコーの歴史に光を当てる。小林和人「ロストアンドファウンド」商品セレクターがキュレーションし、社史からひもといた年表と貴重なアーカイブを通してニッコーのデザインと素材開発の歩みを紹介する。
■NIKKOの歩みとこれから
日程:11月28日〜12月27日
時間:11:00〜19:00
定休日:火曜日
場所:ロストアンドファウンド トウキョウストア
住所:東京都渋谷区富ヶ谷1-15-12 1階