「WWDJAPAN」はこのほど、2025年春夏トレンドセミナーを開催した。コレクションサーキットに見るランウエイトレンドの潮流やリアルクローズ市場の展望に加え、今回はヘアメイクの最新動向も解説。ビューティ業界人も必見の内容をリポートする。
視聴期限:2025年11月29日(土)23:59 まで
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第一部
海外コレクションの動向を探る
第一部は、ゲストスピーカーには柴田麻衣子リステア=クリエイティブ・ディレクターを迎え、コレクションサーキットを振り返りながら、25年春夏シーズンのトレンドを展望した。
ランウエイでは、これまでのトレンドだった「クワイエット・ラグジュアリー」が一巡した。ロシアのウクライナ侵攻などが暗い影を落とす中で、明るく前向きなムードをファッションで表現しようという機運から”着飾る”スタイルが戻ってきている。象徴的だったのがアレッサンドロ・ミケーレによる技巧を凝らした装飾的な表現が特徴の「ヴァレンティノ(VALENTINO)」、そしてメインストリームになりそうな「ボーホーロマンチック」なスタイルを打ち出した「クロエ(CHLOE)」だ。ラッフルやフリルなどふんわりとしたボリュームのあるディテールや、手仕事を感じさせるレースやクロシェ編みなどを多用したスタイルを連発した「クロエ」を、柴田ディレクターも「懐かしさをまとっていて、まるでビンテージ服のクローゼットを見ているようだった」と評価した。
一方、国内のリアルクローズブランドでも来春夏の打ち出しが出そろいつつある。本橋涼介「WWDJAPAN」シニアエディターは「ヤングカジュアルではやはり『クロエ』の影響が如実。一方て、ロマンチックな要素を取り入れる上では、大人向けのブランドは甘くなりすぎないよう提案に一工夫が必要」と分析する。オーガンジーやチュールのように軽やかな素材を取り入れたスタイルは来春夏も勢いが継続。パステルカラーのシアー素材を重ねるスタイルが鮮度をもたらしそうだ。
第二部
国内リアルクローズを展望
国内リアルクローズの市場動向にフォーカスした第2部は、特に暑さが厳しさを増す日本における、透け素材を使ったレイヤード提案を深掘りした。また、販売動向が気温の影響を受けにくい雑貨は引き続き強化項目で、ゲストのJUNNA「エトレトウキョウ(ETRE TOKYO)」ディレクターは「最近はバッグにアクセサリーバッグを付けるスタイルに注目している。これも感覚としてはレイヤードに近い」と小物を使った提案のヒントを述べた。
第三部
ビューティがトレンドセミナーに初登場
第3部はバックステージビューティにフォーカスした。ファッションよりもリアルトレンドとの乖離が顕著なバックステージビューティは、そもそもランウエイルックをどう参考にしたらいいのか分かりづらい。進藤郁子資生堂トップヘアメイクアップアーティストは「一見突飛に見えるスタイルは、アイデアの源泉。そこにアレンジを加え、リアルスタイルに昇華させる」と説明する。
ビューティとファッションのトレンドは表裏一体であり、相互に影響し合っている。25年春夏は、異なるテイストや素材のアイテムを自由に組み合わせ、「偶発性」や「予測不可能性」を楽しむ「ミックス&マッチ」が見られた。「プラダ(PRADA)」や「ミュウミュウ(MIU MIU)」がその代表格だ。「ミュウミュウ」については、ショー映像をビューティーの視点で解説。”童心”や“本能”からくる個性を表現したルックについては「雑に付けたヘアピン」や「”うまヘタ”なヘアセット」といったヘアスタイルの観点でも「ミックス&マッチ」のムードが感じられるとした。村上要「WWDJAPAN」編集長は、「ビューティ業界では、『ミュウミュウ』のように欠点を隠すより個性を引き出すことに重きを置くブランドが増えている」とコメントした。
同セミナーは、リアルタイムでゲストに質問できるのも魅力の1つ。人気ヘアサロン「シャチュー」のみやちのりよしCEO兼トータルプロデューサーは、どのようにトレンドをキャッチしているかと尋ねられ、「SNSは見ない。二番煎じは避けたいから。常に0から1を生み出せるように努めている」と述べ、「だからこそ、ランウエイは一見の価値がある」と語った。
セミナー後は恒例のミートアップを実施。ドリンクを片手に会話に花を咲かせた。
視聴期限:2025年11月29日(土)23:59 まで
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