文化庁は12月10日、「文化庁長官特別表彰」及び「文化庁長官表彰」の受賞者を発表し、「タエ アシダ(TAE ASHIDA)」「ジュン アシダ(JUN ASHIDA)」を手掛ける芦田多恵デザイナーを「文化庁長官特別表彰」に選出した。
「文化庁長官表彰」は、文化活動に優れた成果を示し、日本の文化振興に貢献した人物や、日本文化の海外発信や国際文化交流に寄与した人物を讃えるもの。芦田デザイナーに贈った「文化庁長官特別表彰」は、今年度から創設した賞であり、中でも発信力の高い功労者を対象としている。芦田デザイナーのほかには、辻信太郎サンリオ創業者兼名誉会長、雅楽師の東儀秀樹、脚本家の中園美保(中園ミホ)ら13人が受賞した。
文化庁は芦田デザイナーを選出した理由について、「創業60年以上続くメゾンを継承するファッションデザイナーとして活躍し、宇宙飛行士の船内服をファッションデザイナーとして初めてデザインするなど、ファッションを通じて時代を切り拓き、世界に向けて“高品質なものづくり”を発信するとともに、国際文化交流や被災地支援、女性活躍支援にも取り組み、わが国の芸術文化の振興・発展に多大な貢献をしている」と発表している。
芦田デザイナーは1964年生まれ、東京都出身。ファッションデザイナー芦田淳の次女として1991年にデザイナーデビューして以来、新作コレクションを発表し続けてきた。ロイヤルファミリーやファーストレディーをはじめ、各界の著名人や俳優を顧客に持ち、年2回開催するランウエイショーには、約30カ国の駐日大使が出席する。2010年には日本人宇宙飛行士・山崎直子のために宇宙飛行士の船内服をデザインした。18年に「ジュン アシダ」のクリエイティブ・ディレクターに就任し、19年には「タエ アシダ メンズ」をスタート。東日本大震災や能登半島地震では被災地を支援し、女性の活動をバックアップする目的で、「芦田基金」を通じて「輝く女性研究者賞(ジュン アシダ賞)」を創設してきた。