「ディプティック(DIPTYQUE)」は今年のホリデーコレクションで、イギリス人のアーティストであるルーシー・スパロー(Lucy Sparrow)とコラボレーションした。スパローは、“フェルトの女王”と呼ばれるアーティスト。フェルトで作った「ハインツ(HEINZ)」のケチャップや「ケロッグス(KELLOGGS)」のコーンフレークス、「スキッピー(SKIPPY)」のピーナッツバターなど9000個ものアイテムを並べたコンビニエンスストアやベーグルやキャンディを並べたベーカリーの展示など、独自の世界観で注目を集めている。彼女は、「ディプティック」のホリデーコレクションのために、モミの木やジンジャーブレッドマンなどのモチーフをデザイン。パリとロンドンの旗艦店であるメゾン ディプティックの高級デリカテッセンのインスタレーションも手掛けた。スパローに、コラボの感想やクリスマスの過ごし方などについて聞いた。
子どもの頃の興奮をアドベントカレンダーで表現
WWD:「ディプティック」とコラボした感想は?
ルーシー・スパロー(以下、スパロー):創業者3人のインスピレーションを忠実に守り続けているところが大好き。パリのアーカイブを訪れたときは、スケッチブックや世界中を旅して集めたオブジェ、フェルトのアート作品など、私自身のクリエイションと重なるものがあった。「ディプティック」は“遊び心”と“喜び”に満ちたブランド。その2つの要素は私のクリエイションの核でもある。
WWD:「ディプティック」のイメージは?
スパロー:美しいだけでなく、ハンドメードにこだわった職人的なアプローチがある。世界観にフィットするものを作るためにディテールに気を配り、手間のかかる努力をしている。今回のホリデーキャンドルの新コレクションに私の手縫いのフェルトを取り入れてくれてとても嬉しい。
WWD:「ディプティック」の世界観や香りの世界をどのようにコラボで表現したか?
スパロー:メゾンとしての文化はもちろん、パリのメゾン ディプティックのインスタレーションのためにフランスの伝統的なホリデーについて学んだ。遊び心と情熱を加えて表現したつもり。「ディプティック」のパリのチームは素晴らしかった。ロンドンのメゾン ディプティックを何度も訪れ、すっかりスタッフと友人になった。ぶらぶらするだけで楽しい場所で、何時間も過ごせる。
WWD:コラボで苦労した点と楽しかった点は?
スパロー:「ディプティック」のオードトワレやオードパルファン、キャンドルなどの複雑なディテールを描き出すのが難しかった。おなじみの楕円形のロゴはもちろん、住所など細部まで再現した。コラボの制作中に「ディプティック」と1万回は描いたと思う。ソーイングボックス型のアドベントカレンダーについては、明確なビジョンを持っていた。私が子どもの頃に初めて裁縫箱を手にしたときの興奮を表現した。裁縫箱はクリエイションの可能性に満ちた世界に私を解き放ってくれた。その驚きを閉じ込めたつもり。
クリスマスに欠かせないのは「ディプティック」のキャンドル
WWD:「ディプティック」でお気に入りの香りとその理由は?
スパロー:ロンドン旗艦店の限定キャンドル“107 ニューボンドストリート”。なぜなら、私の故郷を思い起こさせる香りでコレクションを制作するときにずっと焚いていたから。
WWD:世界各地のイベントではフェルト作品が完売するほどの人気だが?
スパロー:特に1950年代初期のレトロなものから80年代のテクノカラーのパッケージまで、アメリカのブランドデザインの進化に影響を受けている。中でも、カラフルなラベルで日々の生活に欠かせない洗剤に夢中。自分のインスタレーションを通して、多くの人が特定のブランドや製品に個人的な関心を示すことに気づくようになった。おそらく、子どもの頃に買ってもらったお菓子や初めて味わったビールとか・・・・・・。それが私にとってのインスピレーション源。クリエイション過程で生まれる会話やエピソードは大好きだ。自分の作品が、人々を日常生活から離れた場所に誘うことができること願っている。
WWD:今年のクリスマスはどこでどのように過ごす?
スパロー:暖かい場所に旅行する予定だけど、お気に入りのフェルトのクリスマス・スターを持っていくつもり。
WWD:クリスマスに欠かせないものは?
スパロー:「ディプティック」のキャンドルは欠かせない。あとは、暖かい靴下とオレンジ、そして、大好きなチョコレートをたくさん。